『「異次元緩和」6年後の真実』

日時 2019年7月1日(月) 16:00~17:30
場所 日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク会議室(港区浜松町2-4-1 世界貿易センタービル12階)
出演者 早川 英男 氏 (富士通総研 経済研究所 エグゼクティブ・フェロー)

■ 概要

日銀の「異次元緩和」開始から6年以上が経った。当初は成功するかに見えたが、物価はなかなか上がらず、物価の歴史依存性が明らかになった。他方、生産性上昇率は低下を続け、経済成長が高まることもない。金融緩和に伴う財政規律の弛緩がますます鮮明になる中、日銀は近い将来の2%目標達成を事実上断念し、展望の見えない持久戦に追い込まれている。景気の先行きが不透明になり、さらなる金融緩和を求められる可能性もあるが、日銀に残された手段は殆どない。金融緩和の「出口」では巨額の財政負担も懸念されるが、そもそも「出口」の展望自体が見えない。
「異次元緩和」6年後の真実を多角的に分析する。(講師より)

【早川 英男氏執筆】
生産性低下問題を考える(1)
―アベノミクス6年間がもたらした「発見」―


生産性低下問題を考える(2)
―生産性上昇率急低下の原因は何か?―

■ 出演者紹介(敬称略)

◎早川 英男(はやかわ・ひでお)
 富士通総研 経済研究所 エグゼクティブ・フェロー

東京大学経済学部卒業、プリンストン大学経済学大学院でM.A.取得。1977年日本銀行入行。調査統計局経済調査課長、調査統計局長、名古屋支店長などを経て、2009年3月より2013年3月まで日本銀行理事。日本銀行在職中は、調査統計局長(2001年~2007年)を含め20年以上をリサーチ部門で過ごし、マクロ経済情勢の判断などに携わった。2013年4月より現職。
最近は富士通総研のホームページ上のコラムなどで日本経済、金融政策等に関する見解を積極的に発信している。

著書に『金融政策の「誤解」』(慶應義塾大学出版会、2016年度エコノミスト賞受賞)。