ガバナンスコース(第5期)
2011年の上場企業の相次ぐ企業不祥事発生や、法制審議会会社法制部会で会社法制改正の議論に注目が集まっていることから、上場会社のコーポレート・ガバナンスのあり方に再び注目が集まっています。企業経営の監視役である取締役および監査役は、このような動向を的確にとらえ、自身の責務を果たすために、グローバルに通用するコーポレート・ガバナンスの基礎知識を習得することが求められています。
本「ガバナンスコース」では、取締役・監査役が押さえておきたいコーポレート・ガバナンスのポイントをさまざまな角度から取り上げます。第1講では、コーポレート・ガバナンスの根幹にある資本主義の基本的な考え方から、コーポレート・ガバナンスに至るまでの理論的側面を学びます。第2講では、グローバル大競争時代の経営戦略を迅速かつ適正に遂行するためのガバナンスのあり方、ボードの役割について、内外の事例を踏まえながら学びます。第3講では、最近開示が進んでいる経営者・役員報酬をコーポレート・ガバナンスの視点から学ぶとともに、対資本市場、特に機関投資家を意識したIRとコーポレート・ガバナンスのあり方について学びます。第4講では、上場企業のボードメンバーが知ってほしいコーポレート・ガバナンスを上場制度の観点から学びます。
■ ガバナンスコースのカリキュラム
コース名 | 講座概要 |
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第1講 2012年4月18日(水) 18:30~20:30 |
『現代コーポレート・ガバナンス総論』 若杉 敬明 氏 東京経済大学経営学部 教授、東京大学 名誉教授 |
第2講 2012年4月24日(火) 18:30~20:30 |
『グローバル大競争時代の経営戦略とコーポレート・ガバナンス』 梅澤 高明 氏 A.T.カーニー 日本代表/グローバル取締役会メンバー |
第3講 2012年5月11日(金) 18:30~20:30 |
『経営者報酬とコーポレート・ガバナンス』 阿部 直彦 氏 タワーズワトソン マネージングディレクター 経営者報酬部門統括 『機関投資家の求めるIRの実践とコーポレート・ガバナンス』 高山 与志子 氏 ジェイ・ユーラス・アイアール マネージングディレクター、取締役 |
第4講 2012年5月17日(木) 18:30~20:30 |
『証券取引所と上場会社のコーポレート・ガバナンス』 松崎 裕之 氏 東京証券取引所 上場部長 |
講師略歴 |
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若杉 敬明(わかすぎ・たかあき):第1講 東京経済大学経営学部 教授、東京大学 名誉教授 日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク 理事、日本コーポレート・ガバナンス研究所 所長 東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科修了。 東京大学経済学部助手、横浜市立大学商学部助教授、東北大学経済学部助教授、東京大学大学院経済学研究科教授を経て現職。専門は、コーポレート・ガバナンス、コーポレート・ファイナンス。 日本水産㈱ 社外取締役。過去には、㈱リコーで社外取締役、JFEホールディングス㈱と㈱エヌ・ティ・ティ・ドコモで社外監査役を務めた経験を持つ。 日本のコーポレート・ガバナンス理論の最高権威。 |
梅澤 高明(うめざわ・たかあき):第2講 A.T. カーニー 日本代表/グローバル取締役会メンバー 東京大学法学部卒、マサチューセッツ工科大学経営大学院修士(MBA)。日産自動車を経てA.T. カーニーのニューヨーク・オフィスに入社。4年間に亘り米国企業の経営改革や戦略立案に携わる。東京オフィス異動後は、消費財、ハイテク、メディア、エネルギー、総合商社などのクライアントを支援。特に、グローバル戦略、グループ経営・ポートフォリオ戦略、組織・ガバナンス改革に豊富なプロジェクト経験を持つ。 グロービス経営大学院客員教授。東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム講師、ISLファカルティ、神戸大学非常勤講師。フジテレビ「新報道2001」、テレビ東京「モーニング・サテライト」などの報道番組にコメンテーター出演。 著作に『ストレッチ・カンパニー』(翻訳、東洋経済新報社)、『グループ経営戦略と管理』(共著、企業研究会)。経済産業省「産業構造ビジョン2010」策定支援(文化産業立国、インフラ輸出)。同「クール・ジャパン官民有識者会議」委員。 |
阿部 直彦(あべ・なおひこ):第3講(前半) タワーズワトソン マネージングディレクター 経営者報酬部門統括 タワーズワトソンにてマネージングディレクター、タレント&リワードセグメントリーダー及び経営者報酬部門統括として大手日本企業向けコンサルティング活動に従事する。上級経営者の報酬制度に関する全ての分野(基本報酬、短期インセンティブ、長期インセンティブ、その他ベネフィット)の戦略立案、制度設計・導入および社外取締役報酬に関して数多くのプロジェクト実績を持つ。タワーズペリン入社前は、ピートマーウィック社ロサンゼルスオフィスにて報酬・業績管理分野日系企業担当ディレクターとして従事した。応義塾大学商学部卒業。 日本コーポレート・ガバナンス・フォーラム専門委員(2001年度まで)、日本取締役協会幹事、「制度インフラと透明性委員会」の「経営者報酬ワーキング・グループ」座長(2004年度)。 |
高山 与志子(たかやま・よしこ):第3講(後半) ジェイ・ユーラス・アイアール㈱ マネージングディレクター、取締役 東京大学経済学部卒。エール大学経営大学院卒MBA取得。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了、博士号取得(社会情報学)。 ICGN(国際コーポレート・ガバナンス・ネットワーク)理事、日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク理事、地方公務員共済組合連合会資金運用基本問題研究会委員、全米IR協議会会員 メリルリンチ証券会社ニューヨーク本社に入社後、ニューヨーク、ロンドン、東京の投資銀行部門にて、日本企業の国内外での資金調達、M&Aなどに関するアドバイスを行う。トムソン・ファイナンシャル・インベスター・リレーションズのアジア・パシフィック地域ディレクターを経て、2001年から、IRコンサルティング会社、ジェイ・ユーラス・アイアール㈱にて、IR活動のコンサルティング(国内外株主の分析と理想的な株主構成の構築、機関投資家に対するパーセプションスタディの実施・分析、平時および有事における株主総会支援等)、および、コーポレート・ガバナンス関連のコンサルティング(資本市場に対するメッセージの発信とコミュニケーション手法の確立、ガバナンスの形式と実態のギャップに関する対応等)を行う。 主な著書 •『社外取締役のすべて - 役割は何か/担い手は誰か』(共著、東洋経済新報社、2004年) •『株主が目覚める日 - コーポレート・ガバナンスが日本を変える』(共著、商事法務、2004年) •『機関投資家対応 IR・株主総会マニュアル』(共著、中央経済社、2007年) 等 |
松崎 裕之(まつざき・ひろゆき):第4講 ㈱東京証券取引所 上場部長 1986年、横浜国立大学経営学部卒業。同年、東京証券取引所入所。 債券総務課、株式総務課、総務部総務室などを経て、2001年11月、経営企画部課長。2003年6月、売買審査部グループリーダー。2008年6月、上場管理部課長。2009年6月より現職。 上場会社のコーポレート・ガバナンス向上や適時開示制度の見直しなどの上場制度の総合整備などに尽力している。現在、IFRS対応会議教育・研修委員会委員、財団法人財務会計基準機構基準諮問会議委員、株式会社ICJ取締役を務める。 |