●コーポレート・ファイナンス1〜企業価値を向上させる意思決定
●コーポレート・ファイナンス2〜資本コストを重視した意思決定
【講座概要】 日本企業社会の特徴でもあった、メインバンク制や企業間株式持合い構造が崩れ、日本でも企業価値向上を意識した経営が高まっています。この急速な変化により、コーポレート・ファイナンスに注目が集まっていますが、日本企業の取締役会の多くでは、コーポレート・ファイナンスを十分活用した意思決定がされているとは言い難い状況にあります。
ここでは、取締役会の意思決定の質を向上させ、企業価値を創造するためのコーポレート・ファイナンスとして、NPV(Net Present Value)と資本コストに焦点を当てながら、周辺の問題をとり上げていきます。NPVは資本コストを上回る価値の測定であるため、「NPV>0」の投資案件が企業価値創造を実現することになります。その他、資本市場の効率性を把握した上で、資金調達手段、配当政策、最適な資本構成といった論点も網羅する予定です。
なお、コーポレート・ファイナンスは、広範な内容をとり扱いますので、二回に分けて開催します。
【講師略歴】
岸本 義之(きしもと・よしゆき)
ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン梶@ディレクター・オブ・ストラテジー
東京大学経済学部卒業、ノースウェスタン大学MBA、慶応義塾大学大学院経営管理研究科博士課程修了、博士(経営学)。
15年以上にわたり、銀行・証券・保険・ノンバンクなどの金融機関に対し、全社戦略、営業マーケティング戦略、リスク管理、グローバル戦略、組織改革などのプロジェクトを行ってきた。
マッキンゼー・アンド・カンパニー(マネジャー)を経て現職。
早稲田大学 商学研究科 客員教授(コーポレートファイナンス科目担当)
エーザイ梶@社外取締役
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●企業価値向上とM&A〜世界と日本のM&A市場アウトルック
【講座概要】 企業にとって、M&Aの戦略を練ることは、避け通ることのできない経営の選択肢として定着してきています。M&Aの目的は、現在および将来の不特定多数の株主に帰属する株主(企業)価値の増大であり、企業には経営効率の改善と株主価値向上のために、積極的にM&Aを理解し、活用する姿勢が求められています。
ここでは、世界および日本のM&Aの現状(長期トレンド、規模、プレミアムetc.)を概観した後、敵対的買収の動向、クロスボーダーM&Aなどについて理解を深めていきます。さらに、M&Aにより株主価値を毀損した例、株主価値を増大した例を踏まえながら、これからの時代の長期的な株主(企業)価値向上に資するM&Aについてとり上げていく予定です。
【講師略歴】
服部 暢達(はっとり・のぶみち)
一橋大学大学院国際企業戦略研究科 客員教授
東京大学工学部卒業。マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン・スクールMBA。
1989年より2003年まで米国系大手投資銀行にて日本におけるM&Aアドバイザリー業務に携わる。2001年青山学院大学大学院国際マネジメント研究科兼任講師。2003年から現職。
大学でM&Aと企業価値評価の講義を担当するかたわら、服部暢達事務所を設立して日本における株主価値増大に資するM&Aの研究・評論活動を行っている。
みらかホールディングス梶@社外取締役、潟tァーストリテイリング 社外取締役
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●敵対的買収に於ける取締役会の役割
【講座概要】 最近のコーポレート・ガバナンスの意識の高まり、敵対的買収の脅威により、日本企業も株主価値重視のスタンスを打ち出しつつあります。しかしながら、日本の取締役会の現状は、社外取締役が少ないため、取締役会の独立性が乏しくなっているのが現状です。
そのため、敵対的買収の際には、米英では経営陣から独立した取締役会が敵対的かどうか、買収提案が株主によって満足できるものか、という基準で判断することに対して、日本では取締役と経営陣が同一の場合が多く、経営陣と同様な判断になりがちです。
ここでは、M&A、特に経営陣と株主の利害が対立する可能性をはらんでいる敵対的買収を取り上げ、ガバナンスおよび企業価値・株主価値向上の観点から、取締役の責務、取締役会の役割ととるべき行動について理解を深めます。さらに、最近日本企業の間で導入が相次いでいる、買収防衛策と独立委員会についてもとり上げ、M&Aの本質についてとり上げていく予定です。
【講師略歴】
大楠 泰治(おおくす・たいじ)
クレディ・スイス証券 投資銀行本部法人統括本部長
全国社外取締役ネットワーク 理事
東京大学法学部卒業。
1971年且O和銀行入行。85年Bankers Trust Co. ニューヨーク勤務。87年Morgan Stanley & Co. Inc. ニューヨーク勤務、その後東京勤務。97年シュローダー証券会社東京支店。2000年UBSウォーバーグ証券会社東京支店。04年クレディ スイス ファースト ボストン証券会社東京支店 マネージングディレクター法人本部長。05年より社名変更。現在に至る。
国際コーポレート・ガバナンス・ネットワーク(ICGN)理事も歴任。
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