『12月12日に迫る英総選挙--BrexitとEU、ポスト複合危機の欧州を読み解く--』

日時 2019年12月6日(金) 16:00~17:30
場所 日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク会議室(港区浜松町2-4-1 世界貿易センタービル12階)
出演者 遠藤 乾 氏 (北海道大学公共政策大学院長 北海道大学法学部教授
          日本国際問題研究所客員研究員)

■ 概要

2010年代は、欧州が次から次へと危機に襲われた10年である。2009年末にギリシャで勃発した通貨危機は、翌年以降瞬く間にヨーロッパ連合(EU)の実存的な危機となった。2014年のウクライナ危機、2015年の難民(移民)危機、大きなテロ事件も頻発する中、2016年にはイギリス国民投票でEU離脱派が上回った。その後も、各地でいわゆるポピュリズム勢力が伸長し、EUの存亡危機と目されてきた。この講演では、その中でもBrexitを中心に、この一連の複合危機を振り返り、今後を探り、それが英国、EU、そして世界に対してもつ意味を考えていきたい。(講師より)

■ 出演者紹介(敬称略)

◎遠藤 乾(えんどう・けん)
 北海道大学公共政策大学院長 北海道大学法学部教授
 日本国際問題研究所客員研究員

北海道大学法学部卒業、北海道大学大学院法学研究科修士課程修了、ベルギー・カトリック・ルーヴァン大学大学院修士課程修了、オックスフォード大学博士課程修了(政治学博士)。北海道大学法学部助手、同講師、同助教授を経て、2006年より現職。他、 欧州大学研究所ジャンモネ研究員、欧州大学院フェルナン・ブローデル上級研究員、パリ政治学院・東京大学客員教授、国立政治大学客員教授等を歴任。専門はEU、安全保障、国際政治。

著書に、『欧州複合危機-苦悶するEU、揺れる世界』(中公新書、2016年)、『統合の終焉―EUの実像と論理』(岩波書店、2013年)(読売中央公論・吉野作造賞受賞、2014年)、The Presidency of the European Commission underJacques Delors: The Politics of Shared Leadership (Macmillan/St Martin's, 1999) 、編著に、『ヨーロッパ統合史』『原典ヨーロッパ統合史――史料と解説』(名古屋大学出版会、2008年)、『グローバル・ガバナンスの最前線――現在と過去のあいだ』(東信堂、2008年)、『グローバル・ガバナンスの歴史と思想』(有斐閣、2010年)。岩波書店『シリーズ日本の安全保障』(2014-2015)編者。

2012年より日本外務省政策企画ユニット研究会メンバーを務めたほか、日韓トラック1.5政策対話メンバーであり、日中間の政策対話も組織。2015年より外務省政策評価委員、2017年より日本国際問題研究所で欧州情勢に関する研究会主査。より広い市民のフォーラムへも積極的に関与し、日本・中国・韓国・台湾の識者・実務家が集う北海道ダイアログの創設メンバー。