取締役会事務局のためのMID(ガバナンス講座)<第2期>
コーポレートガバナンス・コード導入から3年が経過し、上場会社のコーポレート・ガバナンスは形式から実質へと、より一層の深化が求められています。本講座は、ガバナンス実務を担い、取締役会の実効性を支える取締役会事務局の現場の要請に応える実践的なプログラムです。全8回にわたり、これからの中進的・先進的企業の取締役会事務局が取り組むべき内容を網羅しています。
取締役会事務局がよりよく機能することで、上場会社のコーポレート・ガバナンスは飛躍的に向上することが期待されます。本講座で必要な知識を習得するとともに、取締役会事務局間の横の連携強化にもお役立ていただけるよう工夫して運営していきます。
「MID」はCGネットが行うガバナンス・トレーニング・プログラムで、「独立社外役員向け」と「取締役会事務局向け」の二つのコースがあります。
対象者
取締役会事務局、取締役会サポート部門、ガバナンス実務を担われている方、コーポレート・ガバナンスの最新動向・本講座の内容に関心のある専門家
構成・修了証
CGネット所定の「修了証」授与要件は以下のとおりです
構成・修了証授与要件 |
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全8回中、6回以上の受講 |
※修了証は全講義の終了後に授与します。授与要件に満たない方は補講の機会をご利用下さい。
※代理出席については、以下の通りです。
個人会員…不可
賛助会員および非会員…可(但し申込者本人の受講回数には見做されません)
定員
各60名(先着順)
開催場所
CGネット会議室(東京都港区浜松町2-4-1 世界貿易センタービルディング 12F)
※本講座第1期終了後の2018年4月より、講座修了者、CGネットの法人会員を対象に、取締役会事務局間の情報交換(プラクティスの共有)を行う「取締役会事務局懇話会」を設置しています。
講座カリキュラム(8コマ)
2018年11月上旬~2019年3月上旬
15:30~17:30
開会挨拶 『取締役会の実効性を支える取締役会事務局とは』
第1講:『上場会社のコーポレートガバナンス向上に向けた東証の取組み』
2018年11月6日(火)15:30~17:30
取締役会事務局にとって、コーポレート・ガバナンスの動向をウォッチすることはきわめて重要です。とりわけ、現在のガバナンス実務の大きな部分を占めるコーポレートガバナンス・コードがどのような背景、目的で作られたのか、上場会社への期待はどのようなものかを理解することは、コーポレート・ガバナンスの本質を考えることにつながります。コーポレートガバナンス・コードの改訂、法制審議会会社法制(企業統治等関係)部会、CGS研究会などに従事されている深津調査役から、東京証券取引所のガバナンスの取り組みの全体像についてお話いただきます。
開会挨拶 『取締役会の実効性を支える取締役会事務局とは』
牛島 信
(うしじま・しん)
日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク 理事長、牛島総合法律事務所 代表弁護士
1949年生まれ。東京大学法学部卒業。検事を経て弁護士に。1985年牛島総合法律事務所開設。
現在、同事務所代表弁護士(弁護士54名・外国弁護士(日本無資格)2名が所属)。
日本生命保険相互会社社外取締役、松竹株式会社社外監査役、株式会社朝日工業社社外監査役、
一般社団法人日本女子プロゴルフ協会監事、一般社団法人不動産証券化協会監事等も務める。
〔著述〕
法律論文に『コーポレートガバナンスの行方—会社からの視点』など数十篇。対談集に『名経営者との対話:コーポレートガバナンスの実践と理論」、小説に『株主総会』、『あの男の正体(ハラワタ)』、『少数株主』など10作、エッセイ集に『現代の正体』など7作。
現在、各分野で連載継続中
『上場会社のコーポレートガバナンス向上に向けた東証の取組み』
深津 寿仁杏 氏
(ふかつ・じゅにあ)
東京証券取引所 上場部企画グループ調査役
2007年 株式会社東京証券取引所入社。株式部、総務部法務グループなどを経て2017年より上場部にて上場制度の企画を担当。
コーポレートガバナンス・コードの改訂、法制審議会会社法制(企業統治等関係)部会、CGS研究会などに従事。
上智大学法学部卒業。東京大学公共政策大学院修了。
第2講:『取締役会事務局が知っておきたい企業不正・不祥事』
2018年11月13日(火)15:30~17:30
企業不正や不祥事が発生することで、当該企業の企業価値を大きく毀損するだけでなく、関係するステークホルダーにも多大な迷惑をかける大きなリスクになります。企業の不祥事が続発して起こっている中、ガバナンスの実務を担うこれからの取締役会事務局は、企業不正、不祥事に関する正確な知識が求められてきます。日本公認不正検査士協会で理事を務め、企業不正、不祥事に詳しい辻氏から、取締役会事務局に知って欲しい企業不正、企業不祥事の実例と内部統制及びリスク管理について解説いただきます。
辻 さちえ 氏
(つじ・さちえ)
エスプラス 代表取締役、日本公認不正検査士協会 理事、公認会計士
1996年10月監査法人トーマツ(現有限責任監査法人トーマツ)入所。会計監査、アドバイザリー業務経験後
2015年7月に独立して(株)エスプラス設立。内部統制、内部監査、企業不正予防関連のコンサルティング業務している。
この他、企業不正関連のセミナーを官公庁、公認会計士協会、監査法人、企業向け等数多く実施している。
2016年6月 日本公認不正検査士協会(ACFE JAPAN)理事就任
2017年6月 (株)シーボン 社外監査役就任
2017年10月 日本CFO協会 主任研究委員就任
第3講:『取締役会の運営実務~付議基準の見直し・取締役会の活性化・モニタリング・議事録』
2018年12月3日(月)15:30~17:30
取締役会事務局には、より良い取締役会の運営を目指すために様々な悩みがあると思います。例えば、取締役会のモニタリング機能を意識する場合に自己監査を可及的に避けるための付議基準はどうあるべきか、といったことが代表例です。また、社外役員が出席する取締役会の実効性を高めるためにどのような工夫が必要か、近時の取締役会改革に対応して取締役会議事録はどうあるべきか、といった点についても各社各様の課題を抱えているものと思われます。こうした問題について、取締役会の運営実務に詳しい柴田弁護士からご解説いただきます。
柴田 義人 氏
(しばた・よしひと)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所 パートナー
1988年 慶應義塾大学法学部法律学科卒業、富士通株式会社入社
1993年 慶應義塾大学大学院社会学研究科修士課程修了
1998年 司法修習修了、弁護士登録
2004年 デューク大学ロースクール修了(LLM)
2005年 ニューヨーク州弁護士登録、イリノイ州公認会計士試験合格
2006年 坂井・三村法律事務所パートナー
2007年 経営統合に伴い、ビンガム・坂井・三村・相澤法律事務所(外国法共同事業)及びBingham McCutchen LLPパートナー
2015年 経営統合に伴い、アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー
著書:『M&A実務の基礎〔第2版〕』(2018年、商事法務)等多数
第4講:『社外取締役のサポート実務~情報提供・内部通報・監査役との連携』
2018年12月11日(火)15:30~17:30
社外取締役のサポートは取締役会事務局にとって最も大きな仕事の一つです。社外取締役に対する取締役会の議案に関する資料配布や事前説明、会社に関する情報提供などが求められます。さらに、コーポレートガバナンス・コードに記載されている、経営陣から独立した内部通報窓口の設置や監査役との連携についても、今後重要なテーマになってくると思われます。ここでは、コーポレートガバナンス・コード対応に詳しい樋口弁護士に、社外取締役のサポート実務について、豊富な経験をもとに網羅的にご解説いただきます。
樋口 達 氏
(ひぐち・わたる)
大手門法律会計事務所 代表パートナー 弁護士 公認会計士
〔略歴〕
1993年3月 東京大学経済学部経済学科卒業
1993年10月 会計士補登録 監査法人トーマツ入所
1997年4月 公認会計士登録
2001年4月 司法研修所
2002年10月 弁護士登録 成和共同法律事務所(成和明哲法律事務所)入所
2012年8月 公認不正検査士登録
2016年6月 丸紅建材リース株式会社社外取締役(監査等委員)
2018年10月 大手門法律会計事務所 代表パートナー
〔主な職歴〕
第一東京弁護士会弁護士業務改革委員会税務部会員
青山学院大学非常勤講師(「企業再編の法と実務」 2006年~)
日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク 正会員
日本弁護士連合会業務改革委員会外部監査人制度運営小委員会幹事(2006年~2008年)など
第5講:『取締役会の実効性評価の実務』
2019年1月21日(月)15:30~17:30
取締役会の実効性評価は、すでに多くの日本企業で自己評価という形で実施されておりますが、その結果をどのように取締役会の改革、そして企業価値向上につなげていくかについて、悩んでいる企業も多いと思われます。ここでは、日本においていち早く取締役会評価の支援を行い、多くの第三者評価を実施した高山氏から、これまでの経験にもとづき、取締役会事務局の立場から見た実効性評価の実務と課題についてご解説いただきます。
高山 与志子 氏
(たかやま・よしこ)
ジェイ・ユーラス・アイアール マネージングディレクター、取締役 ボードルーム・レビュー・ジャパン 代表取締役
日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク 理事
ジェイ・ユーラス・アイアール株式会社のコンサルティング部門の責任者として、コーポレート・ガバナンス及びIR活動に関するコンサルティングを行う。
2015年よりボードルーム・レビュー・ジャパン株式会社の代表取締役に就任、数多くの企業の取締役会評価の支援を実施。
主要著書・論文として、『スチュワードシップとコーポレートガバナンス』(共著、東洋経済新報社)、「取締役会評価とコーポレート・ガバナンス ─形式から実効性の時代へ─」『商事法務』2043号(2014年9月15日)など多数。
株式会社オートバックスセブン社外取締役。
金融庁・東京証券取引所 「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」メンバー。
地方公務員共済組合連合会資金運用基本問題研究会委員。
東京大学経済学部卒。エール大学経営大学院卒MBA取得。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了、博士号取得(社会情報学)。
第6講:『指名・報酬委員会事務局の実務』
2019年2月4日(月)15:30~17:30
最近、任意の指名・報酬委員会を設置する会社が増えています。各委員会の事務局は取締役会事務局が兼ねるケースが多く、これから委員会の運営を本格化していく、或いは設置していく上で、指名・報酬委員会の事務局をどのように運営していくかは悩ましいところです。
ここでは、コーポレート・ガパナンスの根幹である経営者の後継者計画、経営者報酬改革のコンサルティングに従事されている井上氏から、指名委員会と報酬委員会の事務局実務の実際、事務局を務める上での留意点などについてご解説いただきます。
井上 康晴 氏
(いのうえ・やすはる)
マーサー ジャパン 組織・人事変革コンサルティング プリンシパル
事業会社、外資コンサルティングファームを経て現職。
多業種にわたる組織・人事戦略の策定/導入、役員報酬・コーポレートガバナンスの設計、組織・人事制度設計と運用サポート、グループ人材マネジメント、チェンジマネジメント、タレントマネジメント、人材アセスメント、ダウンサイジング、教育体系の設計、など、多岐に渡るプロジェクトをリードしている。
名古屋大学経済学部卒業
第7講:『取締役会事務局に期待すること~アカウンティング・ファイナンス・ガバナンスの視点から』
2019年2月12日(火)15:30~17:30
取締役会事務局にはどのような役割が期待されるのでしょうか。取締役会の運営は会社によって様々ですし、取締役会室など専属の事務局を置くか経営企画、総務、総務、秘書室など担当する部署によっても期待されるところは変わってくるものと思われます。ここでは、多くの取締役会事務局との接点を持ってきた松田教授から、ご専門のアカウンティング&ファイナンス(財務会計)、コーポレート・ガバナンスの観点から、取締役会事務局のあるべき姿、そこに近づくために取り組むべきことなどについてお話をいただきます。
松田 千恵子 氏
(まつだ・ちえこ)
首都大学東京大学院 経営学研究科 教授
株式会社日本長期信用銀行にて国際審査、海外営業等を担当後、ムーディーズジャパン株式会社格付けアナリストを経て、株式会社コーポレイトディレクション、ブーズ・アンド・カンパニー(旧ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン)株式会社でパートナーを務める。2006年にマトリックス株式会社を設立。企業経営と資本市場にかかわる実務、研究及び教育に注力している。2011年より現職。
日立化成株式会社社外取締役、フォスター電機株式会社社外取締役、サトーホールディングス株式会社社外取締役、キリンホールディングス株式会社社外監査役、その他公的機関の経営委員等を務める。日本CFO協会主任研究委員。
著書「格付けはなぜ下がるのか~大倒産時代の信用リスク入門」(日経BP社)、「ファイナンスの理論と実務」(金融財政事情研究会)、「成功するグローバルM&A」(中央経済社)、 「グループ経営入門 第三版」(税務経理協会) 、「これならわかるコーポレートガバナンスの教科書」(日経BP社) 、「コーポレートファイナンス実務の教科書」(日本実業出版社)等。
東京外国語大学外国語学部卒、仏国立ポンゼ・ショセ国際経営大学院経営学修士、筑波大学大学院企業科学専攻博士課程修了。博士(経営学)
第8講:『取締役会事務局が知るべき機関投資家の考え方~ESGの目線を含めて』
2019年3月4日(月)15:30~17:30
コーポレートガバナンス・コードに「株主との対話」が定められたことで、内外の機関投資家について理解が求められています。多くの会社では、この分野はIR部署が対応していると思われますが、ボードメンバーのサポートを行う取締役会事務局が機関投資家の考え方を理解することは必須になってくると思われます。ここでは、ニッセイアセットマネジメントでコーポレート・ガバナンスを統括されるとともにICGNで理事を務める井口氏に、取締役会事務局に知ってほしい機関投資家の考え方についてご解説いただきます。
井口 譲二 氏
(いぐち・じょうじ)
ニッセイアセットマネジメント チーフ・コーポレート・ガバナンス・オフィサー 上席運用部長(投資調査)
アナリストリサーチの統括とスチュワードシップ活動の責任者。ICGN理事。1988年大阪大学経済学部卒業、金融・素材などのアナリスト業務、投資調査室長を経て現職。金融庁「金融審議会専門委員」/「企業会計審議会監査部会臨時委員」、経済産業省「統合報告・ESG対話フォーラム」/「持続的な価値創造に向けた投資の在り方検討会」委員、企業会計基準委員会専門委員(企業結合・ディスクロージャー)など。主な著書・論文に『財務・非財務情報の実効的な開示—ESG投資に対応した企業報告——』(別冊商事法務2018年4月)、『スチュワードシップとコーポレートガバナンス』(共著、東洋経済2015年1月)、『非財務情報(ESGファクター)が企業価値に及ぼす影響』(証券アナリストジャーナル2013年8月号)など。
受講料(税込)
日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク会員
- 修了証授与受講申込
- 60,000円(全8回)
- 単回申し込み
- 10,000円/回
非会員
- 修了証授与受講申込
- 120,000円(全8回)
- 単回申し込み
- 20,000円/回
※本講座の受講を機会にCGネットへのご入会を歓迎します。
本講座第1期終了後の2018年4月より、講座修了者、CGネットの法人会員を対象に、取締役会事務局間の情報交換(プラクティスの共有)を行う「取締役会事務局懇話会」を設置しています。