MIDコース2021<第5期> 全体詳細

独立社外役員のためのガバナンス・トレーニング・プログラム

後援:東京証券取引所、日本取引所グループ(JPX)

コーポレートガバナンス・コード【原則4-14.取締役・監査役のトレーニング】には、「新任者をはじめとする取締役・監査役は、上場会社の重要な統治機関の一翼を担う者として期待される役割・責務を適切に果たすため、その役割・責務に係る理解を深めるとともに、必要な知識の習得や適切な更新等の研鑽に努めるべきである。」と記載されています。
このような要請に応えて、日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク(CGネット)では、上場会社の独立社外役員を主な対象とするトレーニング・プログラム、MIDコースを開講しています。
本コースは、(株)東京証券取引所及び(株)日本取引所グループ(JPX)の後援を受けており、コーポレートガバナンス・コードに沿う内容になっています。所定の要件を満たした受講者には、「修了証」を授与します。独立社外役員の選任に注目が集まる中、こうした「修了証」の授与を受けている方を社外取締役に登用することはまことに有益だと考えられます。

  • 「MID」はCGネットが行うガバナンス・トレーニング・プログラムで、「独立社外役員向け」と「取締役会事務局向け」の二つのコースがあります。
  • 独立社外役員向けの「MIDコース」は2017年から開講し、130 名を超す受講生に「修了証」を授与致しました。2021年は、前年までの講義内容をさらにアップデートして開講します。
  • CGネットには、独立社外役員を務める上での諸問題について毎月意見交換を行う「独立役員研究会」があり、MIDコースの修了生が多く参加しています(CGネット正会員限定)。
  • 本「MIDコース」は全講義Zoomによるオンライン開催といたします。リアルタイムでご参加できない受講者は、後日補講として動画を視聴いただけます。

構成

「MIDコース」は、3つの要素で構成されています。

コース名 回数 開催時期
基調講演 1回(2時間) 2021月1月29日(金)15:00~17:00
必修科目(1) 6回(12時間) 2021年2月初旬~3月中旬 18:30~20:30
選択科目(2) 11回(22時間) 2021年3月下旬~6月上旬 18:30~20:30

注記
(1)独立社外役員の必須の知識となる「必修科目」6コマ
(2)独立社外役員の知識を補う「選択科目」11コマ

受講対象者

コーポレート・ガバナンスで重要な役割を担う「独立社外役員」、及びその候補者を主な対象者と想定しています。
そのほか、独立社外役員のサポートを行う取締役会事務局、監査役スタッフ、ガバナンス担当役員にもお役立ていただけます。

修了証

CGネット所定の「修了証」授与要件は以下のとおりです
※修了証授与受講の受付は終了しました(未開講の単回受講は受け付けています。開講済みの講座の受付は終了しました。)

基調講演 必修科目 選択科目
全1回 全6回 11回中4回以上

※修了証は、全講義の終了後に授与します。(ご欠席者は補講の機会をご利用ください)
・補講…後日配信する動画をご視聴いただきます
・代理出席…個人会員は不可、賛助会員および非会員は可(但し申込者本人の受講回数には見做されません)

基調講演

開催形式

①Zoomオンライン開催(Zoomがご利用いただけない会社の方にも、後日配信する動画をご視聴いただけます)
②YouTubeを利用した後日聴講(2週間限定)
※通信費用は各自でご負担いただくことになりますので、ご了承ください。

2021年1月29日(金) 15:00~17:00

15:30~17:00
基調講演 『コンプライアンスと社外取締役の役割』

但木 敬一 氏

(ただき・けいいち)

T&Tパートナーズ法律事務所客員弁護士
元・検事総長

1943年7月1日生

【経歴】
1969年4月 検事任官(東京地方検察庁)
1996年4月 大分地方検察庁検事正
2002年1月 法務事務次官
2006年6月 検事総長
2008年6月 検事総長定年退官
2008年7月 弁護士登録(第一東京弁護士会)
2008年10月 森・濱田松本法律事務所客員弁護士
2018年1月 T&Tパートナーズ法律事務所客員弁護士

【社外取締役・社外監査役(元または現)】
イオン株式会社 社外取締役、株式会社大和証券グループ本社 社外取締役、日本生命保険相互会社 社外監査役、株式会社フジタ 社外監査役、
株式会社ミロク情報サービス 社外監査役、株式会社アール・エス・シー 社外取締役

15:15~15:30
後援団体挨拶 『独立役員に期待される役割』

青 克美 氏

(あお・かつみ)

東京証券取引所 執行役員

1988年、東京証券取引所入所。総務部長、人事部長、株式部長、上場部長を経て、2017年4月より、現職。
上場会社のコーポレート・ガバナンスの充実や適時開示制度の見直しなどの上場制度の整備に尽力している。

15:00~15:15
主催団体挨拶 『コーポレート・ガバナンスの現状と未来』

牛島 信

(うしじま・しん)

日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク代表理事・理事長、
弁護士(第二東京弁護士会所属)
日本生命保険 社外取締役委員会委員長、朝日工業社 社外監査役、
日本女子プロゴルフ協会 監事、不動産証券化協会 監事

1949年生まれ。東京大学法学部卒。検事を経て弁護士に。1985年牛島総合法律事務所開設。
現在、同事務所代表弁護士(弁護士51名・外国弁護士(日本無資格)2名が所属)。
〔著述〕
法律論文に『コーポレート・ガバナンスの実状と発展』(尾崎安央他編「上村達男先生古稀記念 公開会社法と資本市場の法理」商事法務・2019年)など数十篇。対談集に『名経営者との対話 コーポレートガバナンスの実践と理論」(日経BP社2017年)、小説に『株主総会』(幻冬舎1997年)、『少数株主』(幻冬舎2017年)など11作、エッセイ集に『身捨つるほどの祖国はありや 日本と企業』(幻冬舎2020年)など8作。

必修科目(6コマ)

開催形式

Zoomオンライン開催(リアルタイムでご参加できない受講者は後日補講として動画をご視聴いただけます)
※通信費用は各自でご負担いただくことになりますので、ご了承ください。

2021年2月初旬~3月中旬

必修科目は、コーポレートガバナンス・コードを定める東京証券取引所の取り組みについて学ぶとともに、独立社外役員の関与が必須となる報酬委員会と役員報酬システム、後継者計画と指名委員会の運営、取締役会評価とその活用に関する知識を習得、その後独立社外役員の経験談・プラクティスを共有します。この必修科目6講は独立社外役員としての実効性を高めることに大いに貢献するものです。

第1講:『コーポレート・ガバナンスを巡る取組み』

2021年2月2日(火)18:00~20:00(時間変更)

コーポレートガバナンス・コードを定める東京証券取引所のコーポレート・ガバナンスを巡る取り組みと、現状と今後の課題、さらに企業価値向上に向けた取り組みについてお話いただきます。

林 謙太郎 氏

(はやし・けんたろう)

東京証券取引所 上場部長

1994年、東京証券取引所入所。2017年4月より現職。
2009年12月の独立役員制度の導入をはじめ、10数年に亘り、主として上場制度の整備・充実に係る検討に従事。

第2講:『取締役会評価とその有効な活用について』

2021年2月10日(水)18:30~20:30

取締役会の実効性評価は、すでに取り組んでいる会社も、これから取り組む会社にもそれぞれの課題があると思われます。ここでは、取締役会評価の意義、本質などをお話しいただくとともに、独立社外役員としての取締役会評価への関与について、取締役会評価の専門家から解説いただきます。

高山 与志子 氏

(たかやま・よしこ)

ジェイ・ユーラス・アイアール マネージングディレクター、取締役
ボードルーム・レビュー・ジャパン 代表取締役
日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク 理事

ジェイ・ユーラス・アイアール株式会社のコンサルティング部門の責任者として、コーポレート・ガバナンス及びIR活動に関するコンサルティングを行う。
2015年よりボードルーム・レビュー・ジャパン株式会社の代表取締役に就任、数多くの企業の取締役会評価の支援を実施。
主要著書・論文として、『取締役会評価のすべて』(中央経済社、2020年1月)、『スチュワードシップとコーポレートガバナンス』(共著、東洋経済新報社、2015年)、「取締役会評価とコーポレート・ガバナンス ─形式から実効性の時代へ─」『商事法務』2043号(2014年9月15日)など多数。
株式会社オートバックスセブン社外取締役。
金融庁・東京証券取引所 「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」メンバー。金融庁「スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」メンバー。経済産業省・東京証券取引所「なでしこ銘柄選定基準検討委員会委員」。
地方公務員共済組合連合会資金運用基本問題研究会委員。
東京大学経済学部卒。エール大学経営大学院卒MBA取得。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了、博士号取得(社会情報学)。

第3講:『指名委員会の運営と後継者計画、経営陣幹部の選解任』

2021年2月17日(水)18:00~20:00(時間変更)

指名委員会等設置会社に置かれる「指名委員会」及びガバナンス・コード原則4-10の「指名諮問委員会」に焦点を当てます。独立社外取締役が大きな役割を担う指名(諮問)委員会の運用と、そこで議論されるサクセッション・プランニングについての最新動向を解説いただきます。

高野 研一 氏

(たかの・けんいち)

コーン・フェリー・ジャパン会長

日本の大手銀行で株式ファンドマネジャー、組合書記長などを経験した後にコンサルタントに転進。現マーサー・ジャパン取締役などを経て、2006年10月よりヘイ コンサルティング グループ日本代表に就任。
2016年5月、ヘイグループとコーン・フェリーの統合にともない、コーン・フェリー日本共同代表に就任。2019年5月より現職。
投資家の側、組合の側、経営者の側から経営を多面的に見てきた経験を活かし、日本企業の経営人材育成と経営改革を支援。特に、コーポレートガバナンス、ビジネスリーダーの育成とアセスメント、グループ経営、組織・人材マネジメントに関する戦略・実行支援などに豊富な経験を持つ。
メーカー、金融、商社、小売などほぼ全業種にわたりコンサルティングサービスを提供。多くのクライアントからの信頼を得ている。
神戸大学経済学部、ロンドン・スクールズ・オブ・エコノミクス(MSc)、シカゴ大学ビジネススクール(MBA)修了。
【著書、他】
『超ロジカル思考』 、『カリスマ経営者の名著を読む』 、『企業変革の名著を読む』(日本経済新聞社)
『超仮説思考』(かんき出版)、『ビジネスリーダーの強化書』(日本経団連出版)
『勝ちグセで企業は強くなる』、『グループ経営時代の人材マネジメント』(東洋経済)
他、講演・執筆多数

第4講:『報酬委員会の運営と役員報酬制度—独立・専門性ある報酬決定プロセス確立を通じたペイ・フォー・パフォーマンスの深化』

2021年2月25日(木)18:00~20:00(時間変更)

指名委員会等設置会社に設置される「報酬委員会」及びコーポレートガバナンス・コードの原則4-10で示される「任意の仕組みの活用」の「報酬諮問委員会」に焦点を当てます。独立社外取締役がコアメンバーとなる報酬(諮問)委員会の運用と、実際にそこで議論される役員報酬制度の最新情報について解説いただきます。

阿部 直彦 氏

(あべ・なおひこ)

ペイ・ガバナンス日本 マネージングパートナー 代表取締役

25年を超える日米での経営者報酬コンサルティングの経験を有する日本におけるパイオニア。
米国KPMG(ロサンゼルス)日系企業部ディレクター、タワーズペリン(現タワーズワトソン)のロサンゼルス(コンサルタント)を経て東京支店代表等を勤めた。2013年11月にペイ・ガバナンス日本株式会社を設立し代表パートナーに就任。
日本経済新聞、朝日新聞、日経ビジネス、ウオールストリートジャーナル、ビジネスウイーク、旬刊商事法務、企業会計など多くのメディアに対して経営者報酬に関するコメント及び論文の提供実績がある。日本取締役協会の経営者報酬ガイドラインのワーキンググループリーダーを、2002年以降継続して務める。
1985年 慶應義塾大学商学部卒業  桜美林大学経営大学院客員教授
米国ペイ・ガバナンスLLCは、SECにより報酬コンサルタントの独立性規制が強化され、旧タワーズペリン経営者報酬部門のシニアパートナーが中心となって設立された経営者報酬専門のコンサルティング会社。大規模クライアントの領域でのマーケットシェアが高く、S&Pラージキャップ500社の報酬委員会アドバイザーシェアでは、創設4年で第2位にランクされている。ペイ・ガバナンス日本株式会社は、米国ペイ・ガバナンスのグローバルメンバーファームとして、日本初の独立系経営者報酬コンサルティング会社として設立された。現在ソニー、資生堂、武田薬品など大手グローバル企業報酬委員会のアドバイザーを務めている。

第5講:『社外取締役・社外監査役の経験談1』

2021年3月4日(木)18:00~20:00(時間変更)

社外取締役・社外監査役の経験談は、社外取締役・社外監査役としての心構え、留意点、準備などの点などについての実体験を、社名は伏せた上でお話いただくものです。ここでは、講師による経験談のお話の後、質疑応答・意見交換の時間を多めにとる予定です。

高山 靖子 氏

(たかやま・やすこ)

(株)千葉銀行 社外取締役 / コスモエネルギーホールディングス(株) 社外取締役(監査等委員)
三菱商事(株) 社外監査役 / 横河電機(株) 社外監査役
元 (株)資生堂 常勤監査役

1980年(株)資生堂入社。主に、消費者対応、マーケティング、コーポレートコミュニケーション、サステナビリティなどの業務に従事。お客さまセンター長、CSR部長等を経て、2011年同社常勤監査役。2015年同社顧問。
公益財団法人日本監査役協会常任理事、日本曹達(株)社外取締役等を経て、現在、上記社外役員に就任。この他、現任として、厚生労働省中央労働委員会委員、法務省法制審議会委員、独立行政法人国民生活センター紛争解決委員会委員など。

第6講:『社外取締役・社外監査役の経験談2』

2021年3月10日(水)18:00~20:00(時間変更)

社外取締役・社外監査役の経験談は、社外取締役・社外監査役としての心構え、留意点、準備などの点などについての実体験を、社名は伏せた上でお話いただくものです。ここでは、講師による経験談のお話の後、質疑応答・意見交換の時間を多めにとる予定です。

片山 英二 氏

(かたやま・えいじ)

阿部・井窪・片山法律事務所 弁護士
生化学工業 社外取締役、三菱UFJ信託銀行 社外取締役(監査等委員)
アカツキ 社外監査役、元)日本航空 社外監査役

京都大学工学部、神戸大学法学部卒業。企業勤務の後1984年弁護士登録。1988-1990年欧米留学研修、1989年米国ニューヨーク州弁護士登録、現在、阿部・井窪・片山法律事務所パートナー
倒産法と知的財産法を中心として、渉外法務、会社法務全般の分野で活躍している。
日弁連知的財産センター委員長、日本国際知的財産保護協会会長、Tokyo IP American Inns of the Court会長などを歴任。知財訴訟、特に数多くの国際特許訴訟に携わる。
会社法分野、渉外分野では、各種意見書の作成、M&Aなどの契約やその交渉を行い、また、経営法務の相談を受けている。医薬品産業に係わる法的問題にも詳しい。
また、多くの企業の顧問弁護士として、コーポレートガバナンス、コンプライアンスに関するアドバイスも行っている。

選択科目(11コマ)

開催形式

Zoomオンライン開催(リアルタイムでご参加できない受講者は後日補講として動画をご視聴いただけます)
※通信費用は各自でご負担いただくことになりますので、ご了承ください。

2021年3月下旬~6月上旬

選択科目では、まず、コーポレートガバナンス・コードが独立社外役員に求めている重点分野を取り上げます(第1講~第4講)。その後、法律系の課目として、金融商品取引法、会社法、取締役会の運営、そして株主代表訴訟・D&O保険について取り上げます(第5講~第8講)。さらに、中長期的な企業価値向上の観点からのM&A、決算書類の読み方からファイナンスについて学び(第9講~第11 講)、独立社外役員の役割をよりよく果たすうえでの知識を習得します。独立社外役員を務める方の専門分野は多岐にわたります。受講者の皆様には、専門分野以外についての知識も深めていただければ幸いです。

第1講:『もう一度読み返そうコーポレートガバナンス・コード—独立社外役員として知っておくべきCGコードの全体像と、押さえておくべきポイント』

2021年3月19日(金)18:00~20:00(時間変更)

コーポレートガバナンス・コードが適用されて以降、各社様々な取り組みがなされ、情報開示がされています。ここでは、独立社外役員として知っておくべきガバナンス・コードの全体像と、押さえておくべきポイントについて解説いただきます。

寺田 昌弘 氏

(てらだ・まさひろ)

シティユーワ法律事務所 弁護士

早稲田大学(法)、米デューク大学ロースクール(LLM) 卒。
平成8年4月に弁護士登録。平成17年よりシティユーワ法律事務所パートナー。
企業と株主の間の法律問題、企業の支配権争いが得意分野の1つで、株主提案や委任状争奪戦の経験は豊富。国内外のモノ言う株主からの依頼も多い。
また、企業の不祥事調査も多く手がけ(2011年のオリンパス事件、2017年の富士フイルムHD海外子会社の会計不祥事、2019年のホシザキの会計不祥事、ほか)、一昨年の日大アメフト選手の危険タックル事件でも事案の解明に尽力した。 
その他、コーポレートガバナンスや機関投資家によるエンゲージメントの動向にも明るい。2017年からMIDプログラムで、社外取締役として知っておくべきCGコードの全体像と押さえておくべきポイントについて解説する講義を担当している。

第2講:『社外役員が知っておきたい株主・投資家との対話—機関投資家の視点から—』

2021年3月24日(水)18:30~20:30

コーポレートガバナンス・コードの基本原則5では、上場会社と株主との対話について、「経営陣幹部・取締役(社外取締役を含む)は、こうした対話を通じて~」と記載されています。実際に社外取締役が機関投資家と対話するケースも出てきており、独立社外役員が株主との対話について学ぶことは重要だと思われます。ここでは、独立社外役員が知っておくべきポイントについて解説いただきます。

木村 祐基 氏

(きむら・ゆうき)

スチュワードシップ研究会 代表理事

一橋大学商学部卒業後、野村総合研究所入社。企業調査部にて証券アナリスト業務に従事。第四企業調査室長、野村総研香港社長、エマージング企業調査部長を経て、1996年野村投資信託委託(現野村アセットマネジメント)に移籍。企業調査部長兼経済調査部長、参事コーポレート・ガバナンス担当などを歴任。2008年1月から2010年8月まで、企業年金連合会年金運用部コーポレート・ガバナンス担当部長。2010年11月から2014年7月まで、金融庁総務企画局企業開示課専門官。2014年10月にスチュワードシップ研究会を設立し、代表理事に就任。2017年10月、一般社団法人機関投資家協働対話フォーラムの発足に伴い代表理事・理事長に就任。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)。日本IR学会理事。

第3講:『社外役員が知るべき内部統制と監査』

2021年3月30日(火)18:30~20:30

続発する企業不祥事により、改めて内部統制と監査の機能が問われています。ここでは、公認会計士、および社外監査役の経験豊富な講師から、独立社外役員として知っておくべき内部統制とコーポレート・ガバナンスにおける監査のあり方、グループ監査等について解説いただきます。

鈴木 輝夫 氏

(すずき・てるお)

元・あずさ監査法人副理事長、公認会計士、
LIXIL 社外取締役・監査委員会委員長・ガバナンス委員会委員

昭和48年 アーサーアンダーセン アンド カンパニー東京事務所入社
平成元年 英和監査法人(アーサーアンダーセン)代表社員就任
平成5年 監査法人朝日新和会計社と合併し、朝日監査法人代表社員就任
平成9年 大蔵省 企業会計審議会幹事となる(平成10年8月まで)
平成11年 金融庁(旧大蔵省)公認会計士第二次試験委員(平成14年10月まで)
平成15年 朝日監査法人 本部理事就任 
平成16年 あずさ監査法人と合併、あずさ監査法人となり本部理事就任
平成17年 あずさ監査法人経営改革支援本部長就任、金融庁企業会計審議会内部統制部会臨時委員就任(平成28年3月まで)
平成18年 あずさ監査法人 専務理事就任、RA本部長就任
平成22年 あずさ監査法人 副理事長(平成23年8月まで)
平成24年6月 あずさ監査法人 退職 
平成24年6月 花王株式会社社外監査役就任(平成28年3月まで)
平成27年6月 株式会社クボタ社外監査役就任(平成31年3月まで)
令和元年6月 株式会社LIXILグループ取締役監査委員就任

第4講:『内部通報窓口の設置と社外役員の関わり方—突然の指名にあわてないための心構え—』

2021年4月6日(火)18:30~20:30

コーポレートガバナンス・コードの補充原則2-5①には、内部通報制度について、「例えば、社外取締役と監査役による合議体を窓口とする等」と記載があります。ここでは、社外役員として知っておくべき内部通報制度と、社外役員が実際に窓口を務める場合の留意点について解説いただきます。

樋口 達 氏

(ひぐち・わたる)

大手門法律会計事務所代表パートナー 弁護士 公認会計士 公認不正検査士
丸紅建材リース 社外取締役・監査等委員、オルガノ 社外監査役

〔略歴〕
1993年3月 東京大学経済学部経済学科卒業
1993年10月 会計士補登録 監査法人トーマツ(現有限責任監査法人トーマツ)入所
1997年4月 公認会計士登録
2001年4月 司法研修所
2002年10月 弁護士登録 成和共同法律事務所(成和明哲法律事務所)入所
2012年8月 公認不正検査士登録
2016年6月 丸紅建材リース株式会社社外取締役(監査等委員)
2018年10月 大手門法律会計事務所開設
2019年6月 オルガノ株式会社 社外監査役
2019年10月 アドバンス・レジデンス投資法人 執行役員
〔主な職歴〕
第一東京弁護士会弁護士業務改革委員会税務部会員
青山学院大学非常勤講師(「企業再編の法と実務」 2006年~2018年)
日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク 正会員
日本弁護士連合会業務改革委員会外部監査人制度運営小委員会幹事(2006年~2008年)
など
〔主な著書・連載〕
「事例でわかる 不正・不祥事防止のための内部監査」(中央経済社)「コーポレートガバナンス・コードに対応した招集通知・議案の記載例」(商事法務)、「株主還元の実態調査」(別冊商事法務No.410)、「コーポレートガバナンス・コードが求める取締役会のあり方」(商事法務)、「開示事例から考えるコーポレートガバナンス・コード対応」(商事法務)、「事業報告等の事例にみるガバナンス・コードの開示対応のポイント」(旬刊 経理情報 2015年5月10日・20日合併号)、「社外取締役の質を確保するためのサポート体制の整備」(資料版商事法務 2014年12月号)「100分でわかる企業法務~取締役のための会社法ノート~」(角川oneテーマ21)、「法務Q&A 会計不正 対応と予防のポイント」(中央経済社)、「会社役員が知っておきたい会計不正のはなし」(中央経済社)、「IFRSで企業法務が変わる」(中央経済社)、「企業法務担当者のためのIFRS」(ビジネス法務連載2011年5月号~2012年4月号)、「取締役の善管注意義務のはなし」(商事法務)、「新会社法 企業再編の要点」(商事法務)、「敵対的買収と企業防衛」(日本経済新聞社) など

第5講:『会社法の観点からの取締役、監査役の義務と責任』

2021年4月14日(水)18:30~20:30

会社法は、独立社外役員を務めるにあたって最も重要な法律の一つです。ここでは、コーポレート・ガバナンスに詳しい講師から、独立社外役員として知っておくべき会社法の基礎知識、会社法上での役員の義務と責任等について解説いただきます。

塚本 英巨 氏

(つかもと・ひでお)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所 パートナー弁護士
安川電機 社外取締役・監査等委員

2003年3月 東京大学法学部卒業
2004年10月 弁護士登録
2010年11月~2013年12月 法務省民事局出向(平成26年会社法改正の企画・立案)
2013年1月 パートナー就任
2014年4月~2017年3月 東京大学法学部非常勤講師(「民法基礎演習」担当)
2016年1月~ 公益社団法人日本監査役協会「ケース・スタディ委員会」専門委員
2017年12月~2020年7月 経済産業省「コーポレート・ガバナンス・システム(CGS)研究会(第2期)」委員
2019年8月~ 経済産業省「新時代の株主総会プロセスの在り方研究会」委員
〔著作〕
『コーポレートガバナンス・コードのすべて』(商事法務、2017年)(共同執筆)、『監査等委員会導入の実務』(商事法務、2015年)ほか多数

第6講:『金融商品取引法の観点からの取締役、監査役の義務と責任』

2021年4月21日(水)18:30~20:30

金融商品取引法は上場会社特有の法律で、会社役員を務める上でも重要な内容が含まれています。ここでは、金融商品取引法の概要、開示規制、インサイダー取引規制を中心に、独立社外役員が押さえておきたいポイントについて解説いただきます。

須崎 利泰 氏

(すざき・としやす)

阿部・井窪・片山法律事務所 パートナー弁護士

阿部・井窪・片山法律事務所パートナー。会社法、金商法、倒産法の分野をはじめとして、企業法務全般に携わっている。 会社法、金商法の分野では、上場企業・非上場企業の事業再編(合併、会社分割、株式交換等)、買収(株式の取得や売却)、少数株主のスクイーズアウト(株式併合、株式交換等)公開買付けなどの案件を数多く手掛けているほか、種類株式・転換社債等の発行等の資金調達や、ベンチャー企業やファンドへの投資案件についてのアドバイスも行っている。
倒産法の分野では、破産管財人や民事再生申立代理人として倒産業務を手がけており、その経験を生かして債権回収に関するアドバイスも行っている。 その他、各種取引契約の作成、人事労務対応、企業不祥事対応、企業や役職員向けのコンプライアンスセミナー等を行っている。

第7講:『取締役会の運営と役員の責任追及事例』

2021年5月12日(水)18:30~20:30

会社役員が取締役会に参画するうえで、取締役会の運営の法的根拠を学ぶことは重要だと思われます。ここでは、取締役会の職務と役員の役割、取締役会の運営に関する手続き、責任追及事例を踏まえた取締役会運営の留意点といった点について解説いただきます。

川村 宜志 氏

(かわむら・よしもと)

牛島総合法律事務所 パートナー弁護士・公認不正検査士

2001年弁護士登録(東京弁護士会)、2006年牛島総合法律事務所入所、2011年牛島総合法律事務所パートナー就任。
独占禁止法に関する当局対応その他の競争法に関する実務経験を踏まえた対応、不祥事対応、代表訴訟等の役員の責任に関する問題への対応、その他コンプライアンス・ガバナンスに関する各種企業法務を多数取り扱っている。

第8講:『株主代表訴訟』(前半)『会社役員が直面するリスクとD&O保険』(後半)

2021年5月20日(木)18:30~20:30

(前半)
株主代表訴訟は、株主による役員の直接監視の手段です。会社役員を務める上で大きなリスクであることから、社外役員であっても株主代表訴訟制度の理解が不可欠だと思われます。ここでは、株主代表訴訟制度の概要、株主代表訴訟の具体例及び留意点等について解説いただきます。

増田 健一 氏

(ますだ・けんいち)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所 パートナー弁護士
ブリヂストン 社外取締役
ライフネット生命保険、マーキュリアインベストメント、中外製薬 社外監査役

〔取扱案件〕
会社法務、M&A、訴訟案件、人事・労働関係案件、その他企業法務全般
〔経歴〕
1986年3月 東京大学法学部卒業
1988年4月 最高裁判所司法研修所修了(40期)、弁護士登録(第二東京弁護士会)・当事務所入所
1992年6月 米国University of Chicago Law School (LL.M.)
1993年9月 ニューヨーク州弁護士登録
1997年1月-現在 当事務所パートナー
2007年5月-現在 ライフネット生命保険株式会社 社外監査役
2010年4月-2016年3月 東京大学法科大学院非常勤講師
2011年3月-2016年3月 株式会社ブリヂストン 社外監査役
2016年3月-現在 株式会社ブリヂストン 社外取締役
2016年5月-現在 株式会社マーキュリアインベストメント 社外監査役
2019年4月-現在 東京大学法科大学院客員教授
2020年3月-現在 中外製薬株式会社 社外監査役

(後半)
会社役員賠償責任保険(D&O保険)に入っているから安心だと思われがちですが、D&O保険は諸条件が揃わないと保険の対象外となることがあります。社外役員自身もD&O保険について知識を習得する必要があると思われます。ここでは、役員のリスクが多様化する中での、D&O保険の概要とチェックすべきポイントについて解説いただきます。

中江 透水 氏

(なかえ・とうすい)

Chubb損害保険 P&C本部ファイナンシャルライン部長

1994年大手外資系保険会社に入社後、マーケティング、米国本社出向、経営分野の保険開発・引受等を担当すると共に、企業の危機管理に対するコンサルティングにも従事。2011年より現職。米国ケンタッキー大学卒業。

第9講:『過去の日本企業の買収失敗例に学ぶ、企業価値向上に資するM&A基礎知識』

2021年5月25日(火)18:30~20:30

企業価値向上策としてM&Aを活用する例がありますが、必ずしも成功例が多いようではないようです。ここでは、過去のM&Aの事例、特に失敗例を学ぶことで、企業価値向上につながるM&Aを考えます。取締役会でM&Aの議題が出たときに、独立社外役員が知っておくべきポイントについても解説いただきます。

服部 暢達 氏

(はっとり・のぶみち)

早稲田大学大学院経営管理研究科 客員教授
慶應義塾大学大学院経営管理研究科 客員教授
ファーストリテイリング、博報堂DYホールディングス 社外取締役
フロンティア・マネジメント 社外監査役

〔講師略歴〕
1981年3月、東京大学工学部卒業。日産自動車を経て89年6月、マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン・スクール経営学修士課程卒業。89年より03年まで米国系大手投資銀行にて日本におけるM&Aアドバイザリー業務を担当。98年からはマネージング・ディレクターとして同業務を統括。日本リースのリース事業のGEキャピタルへの売却、第二電電・KDD・日本移動通信の三社合併、ロッシュによる中外製薬の買収、NKKと川崎製鉄の経営統合など日本企業が関係する大型案件を数多く手がけた。2009年4月より早稲田大学大学院経営管理研究科にて、また2017年4月より慶應義塾大学大学院経営管理研究科にてM&Aと企業価値評価の講義を担当するかたわら、合名会社服部暢達事務所を設立して、日本における株主価値増大に資するM&Aの研究・評論活動を行っている。
〔主な論稿〕
「M&A最強の選択」(日経BP社 2006年2月)、「LBOブーム到来は必然」(日本経済新聞 2006年4月、経済教室)、「検証 日本の敵対的買収」(日本経済新聞出版社 2007年7月)(共著)、「実践M&Aハンドブック」(日経BP社、2008年1月)、「日本のM&A「買い」に偏り、価値創出へ綿密な計画を」(日本経済新聞 2010年6月、経済教室)、「日本のM&A 理論と事例研究」(日経BP社、2015年2月) 、「ゴールドマン・サックスM&A戦記」(日経BP社、2018年4月)

第10講:『社外役員が押さえておきたい決算書類の基礎知識』

2021年6月3日(木)18:30~20:30

決算書類である、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書は取締役会参画者の理解が必須となります。ここでは、三つの決算書類のデータの読み方の他、財務比率分析、財務データから見た企業価値の向上への方策について解説いただきます。

西山 茂 氏

(にしやま・しげる)

早稲田大学大学院経営管理研究科 教授
マクロミル 社外取締役、ユニプレス 社外取締役・監査等委員
三井住友海上火災保険、丸紅 社外監査役

1984年早稲田大学政治経済学部卒。1990年ペンシルバニア大学ウォートンスクールMBA修了。
監査法人ト-マツ、(株)西山アソシエイツにて会計監査・企業買収支援・株式公開支援・企業研修などの業務を担当したのち、2002年より早稲田大学。2006年より現職。学術博士(早稲田大学)。公認会計士。
主な著書に、企業分析シナリオ第2版(東洋経済新報社)、戦略管理会計改訂2版(ダイヤモンド社)、増補改訂版 英文会計の基礎知識(ジャパンタイムズ)、入門ビジネス・ファイナンス(東洋経済新報社)、出世したけりゃ会計・財務は一緒に学べ(光文社新書)、ビジネススクールで教えている会計思考77の常識(日経BP社)、「専門家」でない人のための決算書&ファイナンスの教科書(東洋経済出版社)などがある。

第11講:『企業価値創造とコーポレート・ファイナンス—資本コストの視点を踏まえて』

2021年6月9日(水)18:30~20:30

コーポレート・ファイナンスは企業と株主との共通言語といえます。企業と株主との対話が求められる中、独立社外役員もファイナンスの基礎を学んでおく必要があると思われます。中長期的な企業価値の向上が問われ、ROE、資本コストといった言葉が取り上げられています。ここでは、独立社外役員が知っておくべきファイナンスのポイントについて解説いただきます。

松田 千恵子 氏

(まつだ・ちえこ)

東京都立大学大学院 経営学研究科 教授
IHI、フォスター電機 社外取締役
キリンホールディングス 社外監査役

全社戦略(事業ポートフォリオマネジメント)、財務戦略と企業統治に関する研究、教育、実務に携わる
株式会社日本長期信用銀行にて国際審査、海外営業等を担当後、ムーディーズジャパン株式会社格付けアナリストを経て、経営戦略コンサルティング会社である株式会社コーポレイトディレクション、ブーズ・アレン・ハミルトン株式会社でパートナーを務め、現在に至る
東京外国語大学外国語学部卒、仏国立ポンゼ・ショセ国際経営大学院経営学修士、筑波大学大学院企業科学研究科博士後期課程修了、経営学(博士)

日本CFO協会主任研究委員。事業会社や公的機関等にて社外取締役、経営委員等を務める
著書「格付けはなぜ下がるのか~大倒産時代の信用リスク入門」(日経BP社)、「グループ経営入門 第四版」(税務経理協会)、「これならわかるコーポレートガバナンスの教科書」(日経BP社)、「ESG経営を強くするコーポレートガバナンスの実践」(日経BP社)、「サステナブル経営と資本市場」(日本経済新聞出版社)、「経営改革の教科書」(中央経済社)等

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