MIDコース2025<第9期> 全体詳細

独立社外役員のためのガバナンス・トレーニング・プログラム

後援:東京証券取引所、日本取引所グループ(JPX)

コーポレートガバナンス・コード【原則4-14.取締役・監査役のトレーニング】には、「新任者をはじめとする取締役・監査役は、上場会社の重要な統治機関の一翼を担う者として期待される役割・責務を適切に果たすため、その役割・責務に係る理解を深めるとともに、必要な知識の習得や適切な更新等の研鑽に努めるべきである。」と記載されています。
このような要請に応えて、日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク(CGネット)では、上場会社の独立社外役員を主な対象とするトレーニング・プログラム、MIDコースを開講しています。
本コースは、(株)東京証券取引所及び(株)日本取引所グループ(JPX)の後援を受けており、コーポレートガバナンス・コードに沿う内容になっています。所定の要件を満たした受講者には、「修了証」を授与します。独立社外役員の選任に注目が集まる中、こうした「修了証」の授与を受けている方を社外役員に登用することはまことに有益だと考えられます。

  • 「MID」はCGネットが行うガバナンス・トレーニング・プログラムで、「独立社外役員向け」と「取締役会事務局向け」の二つのコースがあります。
  • 独立社外役員向けの「MIDコース」は2017年から開講し、450名を超える受講生に「修了証」を授与いたしました。2025年は、前年までの講義内容をさらにアップデートして開講します。
  • CGネットには、独立社外役員を務める上での諸問題について毎月意見交換を行う「独立役員研究会」があり、MIDコースの修了生が多く参加しています(CGネット正会員および賛助会員の独立役員のみ)。
  • 本「MIDコース」は基調講演はハイブリッド(会場参加+オンライン)、必修第1講以降の講義はZoomによるオンライン開催といたします。リアルタイムでご参加できない受講者は、後日補講として動画を視聴いただけます。

構成

「MIDコース」は、3つの要素で構成されています。

コース名 回数 開催時期
基調講演 1回(2時間) 2025年1月31日(金)14:00~16:00
必修科目(1) 6回(12時間) 2025年2月上旬~3月上旬 18:30~20:30
選択科目(2) 11回(22時間) 2025年3月中旬~6月上旬 18:30~20:30

注記
(1)独立社外役員の必須の知識となる「必修科目」6コマ
(2)独立社外役員の知識を補う「選択科目」11コマ

受講対象者

コーポレート・ガバナンスで重要な役割を担う「独立社外役員」、及びその候補者を主な対象者と想定しています。
そのほか、独立社外役員のサポートを行う取締役会事務局、監査役スタッフ、ガバナンス担当役員にもお役立ていただけます。
(講師と同業会社からのお申込みは、講師の要請により当該講義のご参加をお断りすることがあります。)

受講形式

基調講演

ハイブリット形式 〔会場参加(10名限定)+オンライン聴講〕 
☆以下いずれかの方法でのご視聴となります。お申し込みの際は①②いずれかを選択ください。
 ①会場参加にて聴講
 ②Zoomにて聴講

※申込期限:<2025年1月27日(月)迄>を目安にお申し込みください。以降のお申し込みはお手数ですが別途ご相談ください。
※会場はCGネット会議室(東京都港区虎ノ門3-4-10 虎ノ門35森ビル7F)です。
※会場参加は先着順です。お席がなくなり次第オンライン聴講のご案内を申し上げます。
※修了証授与受講者および単回受講者がリアルタイムでの参加ができない場合は、後日補講として動画を視聴いただけます。

必修科目/選択科目

Zoomを使ったオンラインでの開催
修了証授与受講者および必修・選択科目単回受講者がリアルタイムでの参加ができない場合は、 後日補講として動画を視聴いただけます。

※通信費用は各自でご負担いただくことになりますので、ご了承ください。

修了証

CGネット所定の「修了証」授与要件は以下のとおりです

基調講演 必修科目 選択科目
全1回 全6回 11回中4回以上

※修了証は、全講義の終了後に授与します。授与要件に満たない方は補講の機会をご利用ください。
・補講…後日、動画を視聴いただけます。
・代理出席…個人会員は不可、賛助会員および非会員は可(但し申込者本人の受講回数には見做されません)。

基調講演

2025年1月31日(金) 14:00~16:00

14:30~16:00
基調講演 『「コーポレート・ガバナンス」は万能か』

古賀 信行 氏

(こが・のぶゆき)

野村ホールディングス 名誉顧問
日本放送協会経営委員会 委員長

生年月日 1950年(昭和25年)8月22日生
1974年3月 東京大学法学部卒業

1974年4月 野村證券株式会社(現、野村ホールディングス株式会社)入社
1991年6月 総合企画室長
1995年6月 取締役 人事厚生担当兼人事部長
1999年4月 常務取締役 企画部門担当
2000年6月 取締役副社長
2003年4月 野村ホールディングス株式会社 取締役社長兼CEO、野村證券株式会社 取締役社長
2011年6月 野村ホールディングス株式会社 取締役会長
2020年4月 野村ホールディングス株式会社 取締役
2022年4月 野村ホールディングス株式会社 名誉顧問(現任)

14:15~14:30
後援団体挨拶 『独立役員に期待される役割』

青 克美 氏

(あお・かつみ)

東京証券取引所 取締役常務執行役員

東京証券取引所に入所後、主として、上場制度やディスクロージャー制度の企画・運営に従事。
総務部長、人事部長、株式部長を経て、2016年4月より上場制度担当の執行役員となり、2023年4月より現職。

14:00~14:15
主催団体挨拶 『コーポレート・ガバナンスの実質化』

牛島 信

(うしじま・しん)

日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク代表理事・理事長
弁護士(第二東京弁護士会所属)
日本生命保険 社外取締役、指名・報酬諮問委員会委員長
東京広島県人会 代表理事・会長
日本女子プロゴルフ協会 監事、不動産証券化協会 監事
国際科学振興財団 理事

1949年生まれ。東京大学法学部卒。検事を経て弁護士に。1985年牛島総合法律事務所開設。
現在、同事務所代表弁護士(弁護士・外国法事務弁護士等62名、外国弁護士(日本無資格)2名が所属)。
〔著述〕
法律論文に『コーポレート・ガバナンスの実状と発展』(尾崎安央他編「上村達男先生古稀記念 公開会社法と資本市場の法理」商事法務・2019年)など数十篇。小説に『少数株主』(幻冬舎2017年)、『我が師 石原慎太郎』(幻冬舎2023年)など11作、エッセイ集・対談集に『日本の生き残る道 企業統治が我が国を救う』(幻冬舎2022年)など11作。

必修科目(6コマ)

2025年2月上旬~3月上旬

必修科目は、コーポレートガバナンス・コードを定める東京証券取引所の取り組みと、取締役会評価とその活用に関する知識を習得し、独立社外役員の関与が必須となる報酬委員会と役員報酬システム、後継者計画と指名委員会の運営を学びます。その後、独立社外役員の経験談・プラクティスを共有します。この必修科目6講は独立社外役員としての実効性を高めることに大いに貢献するものです。

第1講:『コーポレート・ガバナンスを巡る取組み』

2025年2月5日(水)18:30~20:30

コーポレートガバナンス・コードを定める東京証券取引所のコーポレート・ガバナンスを巡る取り組みと、現状と今後の課題、さらに企業価値向上に向けた取り組みについてお話いただきます。

渡邉 浩司 氏

(わたなべ・こうじ)

東京証券取引所 上場部長

2000年4月 東京証券取引所(現(株)東京証券取引所) 入所
2013年6月 同 上場部企画グループ 課長
2018年4月 同 上場部企画グループ 統括課長
2018年7月 (株)日本証券クリアリング機構 清算企画部 統括課長
2024年4月 (株)東京証券取引所 上場部長(現任)

第2講:『取締役会評価の実際と課題~サステナビリティ経営に対する取締役会の監督の視点も踏まえて~』

2025年2月13日(木)18:30~20:30

取締役会の実効性評価は、すでに多くの会社で取り組んでいる取締役会の運営等を評価し、改善するツールです。ここでは、取締役会評価の意義、最近の課題について、サステナビリティ経営の取締役会による監督の視点を踏まえながら、取締役会評価の専門家から解説いただきます。

宮地 真紀子 氏

(みやじ・まきこ)

ジェイ・ユーラス・アイアール ディレクター
ボードルーム・レビュー・ジャパン ディレクター

〔略歴〕
大手総合電機メーカー入社後、米国におけるIR・SEC対応、上場子会社における連結決算・事業計画等に携わる。
2005年ジェイ・ユーラス・アイアール㈱入社。国内・海外株主判明調査のほか、機関投資家の意識調査を企画・運営するなど、日本企業のIRの現状と内外機関投資家による認識ギャップを主軸としたコンサルティングを展開。
2000年代より大型企業合併・買収防衛等に関わる株主総会支援、TOB支援、アクティビスト対策・企業防衛、等数多くの案件にプロジェクトマネージャーとして参画。株主との対話の観点からコーポレート・ガバナンスに関する経験・知見を深め、企業へのコンサルティングを提供。2014年の日本における本格的な取締役会評価第一号企業から評価に参画、以降ジェイ・ユーラスグループが支援する取締役会評価の支援全般に携わる。

東京大学経済学部経済学科卒業

〔主要著書・論文〕
機関投資家対応 IR・株主総会マニュアル [共著、中央経済社 2007年]
スチュワードシップ・コードとコーポレートガバナンス・コード ~日本企業への影響とIR活動~ [共著、 同友館 2014年]
サステナビリティ経営と取締役会〔上〕〔下〕 [商事法務 2267号 2268号 2021年]
取締役会の実効性と社外取締役に対する評価の考え方 [商事法務 2342号(2023年11月15日)]
アクティビスト対応の実務 [中央経済社 2024年4月]

第3講:『指名委員会の運営—企業価値を高めるCEOサクセッションと取締役のサクセッション—』

2025年2月19日(水)18:30~20:30

指名委員会等設置会社に置かれる「指名委員会」及びガバナンス・コード原則4-10の「指名諮問委員会」に焦点を当てます。独立社外取締役が大きな役割を担う指名(諮問)委員会の運用と、そこで議論されるサクセッション・プランニングについての最新動向を解説いただきます。

中島 正樹 氏

(なかじま・まさき)

コーン・フェリーコーポレートガバナンス・アドバイザリー部門リーダー(日本)、シニアクライアントパートナー
東京大学大学院非常勤講師、今治.夢スポーツ(FC今治) アドバイザリーボードメンバー、BBT大学大学院客員教授(コーポレートガバナンス論)

日本開発銀行(現日本政策投資銀行)、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、マーサー・アジアパシフィック部門代表、デロイトトーマツコンサルティング取締役等を歴任。
国内外の幅広い業界の企業及び公的機関のグローバル競争力の強化や経営変革を、取締役会の強化や経営陣に対するアドバイス等を通じて支援している。事業戦略の立案、組織・人材マネジメントの改革、経営人材の開発など、戦略・組織・人事の幅広い分野における専門性を組み合わせ、CEOサクセッション、取締役会の強化・変革、指名・報酬委員会の運営を全面的にサポートするほか、経営者に対するコーチングも行っている。
一橋大学商学部卒、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)経営大学院修了(MBA)
【訳書等】
『人材・戦略・リスク長期的な価値を担う取締役会の仕事』(訳・解説) 日本経済新聞出版社(2022年)
『Talent Wins (タレント・ウィンズ)人材ファーストの企業戦略』(監訳・序文) 日本経済新聞出版社(2019年)
『ウォー・フォー・タレント人材育成競争』(監訳)翔泳社(2002年)

第4講:『報酬委員会の運営と役員報酬制度—独立・専門性ある報酬決定プロセス確立を通じたペイ・フォー・パフォーマンスの深化』

2025年2月27日(木)18:30~20:30

指名委員会等設置会社に設置される「報酬委員会」及びコーポレートガバナンス・コードの原則4-10で示される「任意の仕組みの活用」の「報酬諮問委員会」に焦点を当てます。独立社外取締役がコアメンバーとなる報酬(諮問)委員会の運用と、実際にそこで議論される役員報酬制度の最新情報について解説いただきます。

阿部 直彦 氏

(あべ・なおひこ)

ペイ・ガバナンス日本 マネージングパートナー 代表取締役

25年を超える日米での経営者報酬コンサルティングの経験を有する日本におけるパイオニア。
米国KPMG(ロサンゼルス)日系企業部ディレクター、タワーズペリン(現タワーズワトソン)のロサンゼルス(コンサルタント)を経て東京支店代表等を勤めた。2013年11月にペイ・ガバナンス日本株式会社を設立し代表パートナーに就任。
日本経済新聞、朝日新聞、日経ビジネス、ウオールストリートジャーナル、ビジネスウイーク、旬刊商事法務、企業会計など多くのメディアに対して経営者報酬に関するコメント及び論文の提供実績がある。日本取締役協会の経営者報酬ガイドラインのワーキンググループリーダーを、2002年以降継続して務める。
1985年 慶應義塾大学商学部卒業  桜美林大学経営大学院客員教授
米国ペイ・ガバナンスLLCは、SECにより報酬コンサルタントの独立性規制が強化され、旧タワーズペリン経営者報酬部門のシニアパートナーが中心となって設立された経営者報酬専門のコンサルティング会社。大規模クライアントの領域でのマーケットシェアが高く、S&Pラージキャップ500社の報酬委員会アドバイザーシェアでは、創設4年で第2位にランクされている。ペイ・ガバナンス日本株式会社は、米国ペイ・ガバナンスのグローバルメンバーファームとして、日本初の独立系経営者報酬コンサルティング会社として設立された。現在ソニー、武田薬品、オリンパスなど大手グローバル企業および上場前後のテクノロジーベンチャー企業等の報酬委員会のアドバイザーを務めている。

第5講:『社外取締役・社外監査役の経験談1』

2025年3月5日(水)18:30~20:30

社外取締役・社外監査役の経験談は、社外取締役・社外監査役としての心構え、留意点、準備などの点などについての実体験を、社名は伏せた上でお話いただくものです。ここでは、講師による経験談のお話の後、質疑応答・意見交換の時間を多めにとる予定です。

大坂 祐希枝 氏

(おおさか・ゆきえ)

伊藤ハム米久ホールディングス、さくらインターネット 社外取締役
カスタマーサクセス推進協会 代表理事

放送業界出身。有料放送のWOWOWで加入世帯数が急激に減少した際に創設されたマーケティング部門の部長となり、その後マーケティング、DX戦略によって加入世帯数を回復させたことにより専門領域がマーケティング・DXに。
マーケティング・DXを「スキル」として、WOWOWコミュニケーションズ、明光ネットワークジャパンの常勤取締役を経て、その後さくらインターネット、伊藤ハム米久ホールディングスの社外取締役に(現任)。
マーケティングコンサルタントとして企業のサポートを行い、大学やビジネススクールで講演などを行っている。
企業にカスタマーセントリックなマーケティングを浸透させたいという考えから、一般社団法人カスタマーサクセス推進協会代表理事を務める。

著書に「優良顧客を逃さない方法 ~利益を伸ばすリテンションマーケティング入門」

第6講:『社外取締役・社外監査役の経験談2』

2025年3月11日(火)18:30~20:30

社外取締役・社外監査役の経験談は、社外取締役・社外監査役としての心構え、留意点、準備などの点などについての実体験を、社名は伏せた上でお話いただくものです。ここでは、講師による経験談のお話の後、質疑応答・意見交換の時間を多めにとる予定です。

小泉 慎一 氏

(こいずみ・しんいち)

ディー・エヌ・エー 常勤社外監査役
国際協力銀行、Preferred Networks 社外取締役、大林組 顧問
JICキャピタル シニア・アドバイザー、ジャパン・アクティベーション・キャピタル シニア・アドバイザー

1971年東レ株式会社入社後、主として経営企画、財務・経理、樹脂事業、複合材料事業、海外事業全般、戦略的M&Aの業務に従事。
2004年取締役、2006年常務取締役、2007年専務取締役を経て、2008年代表取締役副社長、2013年から東レ経営研究所取締役会長、2015年東レ顧問、2017年退任。
2014年より日本経済団体連合会・会長特別アドバイザー、2015年大林組 取締役(その後、顧問)、2016年国際協力銀行 取締役、2017年ディー・エヌ・エー 常勤監査役、2019年Preferred Networks 取締役。
2021年JICキャピタル シニア・アドバイザー、2022年日本野球機構 会長特別アドバイザー、2024年ジャパン・アクティベーション・キャピタル株式会社 シニア・アドバイザー。

共著に、Innovation beyond Technology (Science for Society and Interdisciplinary Approaches)。

1971年慶應義塾大学経済学部卒業。
東京都出身。1948年生まれ

選択科目(11コマ)

2025年3月中旬~6月上旬

選択科目では、まず、コーポレートガバナンス・コードが独立社外役員に求めている重点分野を取り上げます(第1講~第4講)。その後、法律系の科目として、会社法、金融商品取引法、取締役会の運営、そして株主代表訴訟・D&O保険について取り上げます(第5講~第8講)。さらに、中長期的な企業価値向上の観点からのM&A、決算書類の読み方からファイナンスについて学び(第9講~第11講)、独立社外役員の役割をよりよく果たすうえでの知識を習得します。独立社外役員を務める方の専門分野は多岐にわたります。受講者の皆様には、専門分野以外についての知識も深めていただければ幸いです。

第1講:『もう一度読み返そうコーポレートガバナンス・コード—独立社外役員として知っておくべきCGコードの全体像と、押さえておくべきポイント』

2025年3月19日(水)18:30~20:30

コーポレートガバナンス・コードが適用されて以降、各社様々な取り組みがなされ、情報開示がされています。ここでは、独立社外役員として知っておくべきガバナンス・コードの全体像と、押さえておくべきポイントについて解説いただきます。

寺田 昌弘 氏

(てらだ・まさひろ)

三浦法律事務所 弁護士
SBI新生銀行 社外取締役

早稲田大学(法)、米デューク大学ロースクール(LLM) 卒。
平成8年4月に弁護士登録。シティユーワ法律事務所パートナーを経て、令和5年1月から三浦法律事務所パートナー。
企業と株主の間の法律問題、企業の支配権争いが得意分野の1つで、株主提案や委任状争奪戦の経験は豊富。国内外のモノ言う株主からの依頼も多い。
また、企業の不祥事調査も多く手がけ(2011年のオリンパス事件、2017年の富士フイルムHD海外子会社の会計不祥事、2019年のホシザキの会計不祥事、ほか)、(企業ではないが) 日大アメフト選手の危険タックル事件でも調査を行い事案の解明に尽力した。近年はスポーツ競技団体及びスポーツビジネス関連法務の案件も多い。現在、(公社)日本アメリカンフットボール協会会長であり、日本オリンピック委員会 (JOC) 監事も務める。
長年にわたり企業の支配権争い、株主提案、モノ言う株主の案件等に携わってきたことから、コーポレートガバナンスや機関投資家によるエンゲージメントの動向にも通じている。2017年からMIDプログラムで、社外取締役として知っておくべきCGコードの全体像と押さえておくべきポイントについて解説する講義を担当している。

第2講:『社外役員が知っておきたい資本市場の最近動向、機関投資家との対話』

2025年3月25日(火)18:30~20:30

コーポレートガバナンス・コードの基本原則5では、上場会社と株主との対話について、「経営陣幹部・取締役(社外取締役を含む)は、こうした対話を通じて~」と記載されています。実際に社外取締役が機関投資家と対話するケースも出てきており、独立社外役員が株主との対話について学ぶことは重要だと思われます。ここでは、独立社外役員が知っておくべきポイントについて解説いただきます。

芳賀沼 千里 氏

(はがぬま・ちさと)

三菱UFJ信託銀行 受託運用部 チーフストラテジスト

1982年に野村證券に入社して支店勤務を経て、85~87年にロンドン大学に留学、経済修士課程を修了した後、野村総合研究所・金融経済研究所などで一貫して日本株投資戦略の構築を担当。レポートや国内外機関投資家訪問を通じた情報提供により、投資家から高い評価を獲得。三菱UFJモルガン・スタンレー証券を経て、三菱UFJ信託銀行に入社。2021年4月より現職。
投資戦略の作成では、景気・企業業績と金融環境を複眼的に視点から分析し、需給関係や市場コンセンサスを考慮した大胆な「仮説」の構築を心がける。過去と現在との投資環境の相違点を考慮して、長期的な視点から市場動向を検討する。

第3講:『社外役員が知るべき内部統制と監査』

2025年4月3日(木)18:30~20:30

続発する企業不祥事により、改めて内部統制と監査の機能が問われています。ここでは、公認会計士、および社外監査役の経験豊富な講師から、独立社外役員として知っておくべき内部統制とコーポレート・ガバナンスにおける監査のあり方、グループ監査等について解説いただきます。

鈴木 輝夫 氏

(すずき・てるお)

元)あずさ監査法人副理事長、公認会計士、
元)LIXIL 社外取締役・監査委員会委員長・ガバナンス委員会委員
元)花王、クボタ 社外監査役

昭和48年 アーサーアンダーセン アンド カンパニー東京事務所入社
平成元年 英和監査法人(アーサーアンダーセン)代表社員就任
平成5年 監査法人朝日新和会計社と合併し、朝日監査法人代表社員就任
平成9年 大蔵省 企業会計審議会幹事となる(平成10年8月まで)
平成11年 金融庁(旧大蔵省)公認会計士第二次試験委員(平成14年10月まで)
平成15年 朝日監査法人 本部理事就任 
平成16年 あずさ監査法人と合併、あずさ監査法人となり本部理事就任
平成17年 あずさ監査法人経営改革支援本部長就任、金融庁企業会計審議会内部統制部会臨時委員就任(平成28年3月まで)
平成18年 あずさ監査法人 専務理事就任、RA本部長就任
平成22年 あずさ監査法人 副理事長(平成23年8月まで)
平成24年6月 あずさ監査法人 退職 
平成24年6月 花王株式会社社外監査役就任(平成28年3月まで)
平成27年6月 株式会社クボタ社外監査役就任(平成31年3月まで)
令和元年6月 株式会社LIXILグループ取締役監査委員就任(令和5年6月まで)

第4講:『内部通報窓口の設置と社外役員の関わり方—突然の指名にあわてないための心構え—』

2025年4月9日(水)18:30~20:30

コーポレートガバナンス・コードの補充原則2-5①には、内部通報制度について、「例えば、社外取締役と監査役による合議体を窓口とする等」と記載があります。ここでは、社外役員として知っておくべき内部通報制度と、社外役員が実際に窓口を務める場合の留意点について解説いただきます。

樋口 達 氏

(ひぐち・わたる)

大手門法律会計事務所代表パートナー 弁護士、公認会計士、公認不正検査士
丸紅建材リース 社外取締役・監査等委員、オルガノ 社外監査役

〔略歴〕
1993年3月 東京大学経済学部経済学科卒業
1993年10月 会計士補登録 監査法人トーマツ(現有限責任監査法人トーマツ)入所
1997年4月 公認会計士登録
2001年4月 司法研修所
2002年10月 弁護士登録 成和共同法律事務所(成和明哲法律事務所)入所
2012年8月 公認不正検査士登録
2016年6月 丸紅建材リース株式会社社外取締役(監査等委員)
2018年10月 大手門法律会計事務所開設
2019年6月 オルガノ株式会社 社外監査役
2019年10月 アドバンス・レジデンス投資法人 執行役員
〔主な職歴〕
第一東京弁護士会弁護士業務改革委員会税務部会員
青山学院大学非常勤講師(「企業再編の法と実務」 2006年~2018年)
日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク 正会員
日本弁護士連合会業務改革委員会外部監査人制度運営小委員会幹事(2006年~2008年)
など
〔主な著書・連載〕
「事例でわかる 不正・不祥事防止のための内部監査」(中央経済社)「コーポレートガバナンス・コードに対応した招集通知・議案の記載例」(商事法務)、「株主還元の実態調査」(別冊商事法務No.410)、「コーポレートガバナンス・コードが求める取締役会のあり方」(商事法務)、「開示事例から考えるコーポレートガバナンス・コード対応」(商事法務)、「事業報告等の事例にみるガバナンス・コードの開示対応のポイント」(旬刊 経理情報 2015年5月10日・20日合併号)、「社外取締役の質を確保するためのサポート体制の整備」(資料版商事法務 2014年12月号)「100分でわかる企業法務~取締役のための会社法ノート~」(角川oneテーマ21)、「法務Q&A 会計不正 対応と予防のポイント」(中央経済社)、「会社役員が知っておきたい会計不正のはなし」(中央経済社)、「IFRSで企業法務が変わる」(中央経済社)、「企業法務担当者のためのIFRS」(ビジネス法務連載2011年5月号~2012年4月号)、「取締役の善管注意義務のはなし」(商事法務)、「新会社法 企業再編の要点」(商事法務)、「敵対的買収と企業防衛」(日本経済新聞社) など

第5講:『会社法の観点からの取締役、監査役の義務と責任』

2025年4月14日(月)18:30~20:30

会社法は、独立社外役員を務めるにあたって最も重要な法律の一つです。ここでは、コーポレート・ガバナンスに詳しい講師から、独立社外役員として知っておくべき会社法の基礎知識、会社法上での役員の義務と責任等について解説いただきます。

塚本 英巨 氏

(つかもと・ひでお)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 パートナー弁護士

2003年3月 東京大学法学部卒業
2004年10月 弁護士登録
2010年11月~2013年12月 法務省民事局出向(平成26年会社法改正の企画・立案)
2013年1月 パートナー就任
2014年4月~2017年3月 東京大学法学部非常勤講師(「民法基礎演習」担当)
2016年1月~ 公益社団法人日本監査役協会「ケース・スタディ委員会」専門委員
2017年12月~2022年7月 経済産業省「コーポレート・ガバナンス・システム(CGS)研究会(第2期・第3期)」委員
2019年8月~2021年2月 経済産業省「新時代の株主総会プロセスの在り方研究会」委員
2024年9月~ 経済産業省「『稼ぐ力』の強化に向けたコーポレートガバナンス研究会」委員
〔著作〕
『実務家が語る取締役会のいまと今後の展望』(商事法務、2024年)(共同執筆)、
『株主総会資料電子提供の法務と実務』(商事法務、2021年)(共同執筆)、
『基礎から読み解く社外取締役の役割と活用のあり方』(商事法務、2021年)ほか多数

第6講:『金融商品取引法の観点からの取締役、監査役の義務と責任』

2025年4月24日(木)18:30~20:30

金融商品取引法は上場会社特有の法律で、会社役員を務める上でも重要な内容が含まれています。ここでは、金融商品取引法の概要、開示規制、インサイダー取引規制を中心に、独立社外役員が押さえておきたいポイントについて解説いただきます。

須崎 利泰 氏

(すざき・としやす)

阿部・井窪・片山法律事務所 パートナー弁護士

阿部・井窪・片山法律事務所パートナー。会社法、金商法、倒産法の分野をはじめとして、企業法務全般に携わっている。 会社法、金商法の分野では、上場企業・非上場企業の事業再編(合併、会社分割、株式交換等)、買収(株式の取得や売却)、少数株主のスクイーズアウト(株式併合、株式交換等)公開買付けなどの案件を数多く手掛けているほか、種類株式・転換社債等の発行等の資金調達や、ベンチャー企業やファンドへの投資案件についてのアドバイスも行っている。
倒産法の分野では、破産管財人や民事再生申立代理人として倒産業務を手がけており、その経験を生かして債権回収に関するアドバイスも行っている。 その他、各種取引契約の作成、人事労務対応、企業不祥事対応、企業や役職員向けのコンプライアンスセミナー等を行っている。

第7講:『取締役会の運営と役員の責任追及事例』

2025年5月14日(水)18:30~20:30

会社役員が取締役会に参画するうえで、取締役会の運営の法的根拠を学ぶことは重要だと思われます。ここでは、取締役会の職務と役員の役割、取締役会の運営に関する手続き、責任追及事例を踏まえた取締役会運営の留意点といった点について解説いただきます。

川村 宜志 氏

(かわむら・よしもと)

牛島総合法律事務所 パートナー弁護士・公認不正検査士

2001年弁護士登録(東京弁護士会)、2006年牛島総合法律事務所入所、2011年牛島総合法律事務所パートナー就任、2019年公認不正検査士(CFE)登録。
競争法に関する当局対応その他の法的対応、不祥事にかかる調査及びその予防、代表訴訟等の役員の責任に関する問題への対応、取締役会運営や株主総会運営に関する法的助言等、その他コンプライアンス・ガバナンスに関する各種企業法務を多数取り扱っている。

第8講:(第1部)『株主代表訴訟』(第2部)『会社役員として知っておくと役に立つD&O保険のポイント』

2025年5月21日(水)18:30~20:30

(第1部)株主代表訴訟は、株主による役員の直接監視の手段です。会社役員を務める上で大きなリスクであることから、社外役員であっても株主代表訴訟制度の理解が不可欠だと思われます。ここでは、株主代表訴訟制度の概要、株主代表訴訟の具体例及び留意点等について解説いただきます。

増田 健一 氏

(ますだ・けんいち)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 パートナー弁護士
ブリヂストン 社外取締役
マーキュリアホールディングス、中外製薬 社外監査役

〔取扱案件〕
会社法務、M&A、訴訟案件、人事・労働関係案件、その他企業法務全般
〔経歴〕
1986年3月 東京大学法学部卒業
1988年4月 最高裁判所司法研修所修了(40期)、弁護士登録(第二東京弁護士会)・当事務所入所
1992年6月 米国University of Chicago Law School (LL.M.)
1993年9月 ニューヨーク州弁護士登録
1997年1月-現在 当事務所パートナー
2007年5月-2021年6月 ライフネット生命保険株式会社 社外監査役
2010年4月-2016年3月 東京大学法科大学院非常勤講師
2011年3月-2016年3月 株式会社ブリヂストン 社外監査役
2016年3月-現在 株式会社ブリヂストン 社外取締役
2016年5月-2021年6月 株式会社マーキュリアインベストメント 社外監査役
2019年4月-2022年3月 東京大学法科大学院客員教授
2020年3月-現在 中外製薬株式会社 社外監査役
2021年7月-現在 株式会社マーキュリアホールディングス 社外監査役

(第2部)会社役員賠償責任保険(D&O保険)の概要、補償対象となる事例、補償内容に関して注意すべき事項、会社補償契約とD&O保険との違い、令和3年改正会社法で制定されたD&O保険に関する規制など、社外取締役・社外監査役として知っておくと役に立つD&O保険のポイントや関連するトピックについて解説いただきます。

川端 宏明 氏

(かわばた・ひろあき)

東京海上日動火災保険 火災・企業新種業務部 部長 兼 責任保険グループリーダー

2000年 東京大学法学部卒業。同年 東京海上火災保険(株)(現:東京海上日動火災保険㈱)入社。
入社以来、同社商品開発部門や企業営業部門、米国駐在を経て、2016年より、D&O保険を含む各種賠償責任保険、サイバー保険、費用・利益保険などの企業向け損害保険の商品開発に従事。

第9講:『過去の日本企業の買収失敗例に学ぶ、企業価値向上に資するM&A基礎知識』

2025年5月26日(月)18:30~20:30

企業価値向上策としてM&Aを活用する例がありますが、必ずしも成功例が多いようではないようです。ここでは、過去のM&Aの事例、特に失敗例を学ぶことで、企業価値向上につながるM&Aを考えます。取締役会でM&Aの議題が出たときに、独立社外役員が知っておくべきポイントについても解説いただきます。

服部 暢達 氏

(はっとり・のぶみち)

早稲田大学大学院経営管理研究科 客員教授
慶應義塾大学大学院経営管理研究科 客員教授
ファーストリテイリング、博報堂DYホールディングス 社外取締役

〔講師略歴〕
1981年3月、東京大学工学部卒業。日産自動車を経て1989年6月、マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン・スクール経営学修士課程卒業。1989年より2003年まで米国系大手投資銀行にて日本におけるM&Aアドバイザリー業務を担当。1998年からはマネージング・ディレクターとして同業務を統括。日本リースのリース事業のGEキャピタルへの売却、第二電電・KDD・日本移動通信の三社合併、ロッシュによる中外製薬の買収、NKKと川崎製鉄の経営統合など日本企業が関係する大型案件を数多く手がけた。2009年4月より早稲田大学大学院経営管理研究科にて、また2017年4月より慶應義塾大学大学院経営管理研究科にてM&Aと企業価値評価の講義を担当するかたわら、合同会社服部暢達事務所を設立して、日本における株主価値増大に資するM&Aの研究・評論活動を行っている。
〔主な論稿〕
「M&A最強の選択」(日経BP社 2006年2月)、「LBOブーム到来は必然」(日本経済新聞 2006年4月、経済教室)、「検証 日本の敵対的買収」(日本経済新聞出版社 2007年7月)(共著)、「実践M&Aハンドブック」(日経BP社、2008年1月)、「日本のM&A「買い」に偏り、価値創出へ綿密な計画を」(日本経済新聞 2010年6月、経済教室)、「日本のM&A 理論と事例研究」(日経BP社、2015年2月) 、「ゴールドマン・サックスM&A戦記」(日経BP社、2018年4月)

第10講:『社外役員が押さえておきたい決算書類の基礎知識』

2025年6月4日(水)18:30~20:30

決算書類である、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書は取締役会参画者の理解が必須となります。ここでは、三つの決算書類のデータの読み方の他、財務比率分析、財務データから見た企業価値の向上への方策について解説いただきます。

西山 茂 氏

(にしやま・しげる)

早稲田大学大学院経営管理研究科 教授
東京エネシス、日本ハム 社外取締役

1984年早稲田大学政治経済学部卒。1990年ペンシルバニア大学ウォートンスクールMBA修了。
監査法人ト-マツ、㈱西山アソシエイツにて会計監査・企業買収支援・株式公開支援・企業研修などの業務を担当したのち、2002年より早稲田大学。2006年より現職。学術博士(早稲田大学)。公認会計士。
主な著書に、企業分析シナリオ第2版(東洋経済新報社)、戦略管理会計改訂2版(ダイヤモンド社)、増補改訂版 英文会計の基礎知識(ジャパンタイムズ)、入門ビジネス・ファイナンス(東洋経済新報社)、出世したけりゃ会計・財務は一緒に学べ(光文社新書)、ビジネススクールで教えている会計思考77の常識(日経BP社)、「専門家」でない人のための決算書&ファイナンスの教科書(東洋経済出版社)などがある。

第11講:『企業価値創造とコーポレート・ファイナンス—資本コストの視点を踏まえて』

2025年6月9日(月)18:30~20:30

コーポレート・ファイナンスは企業と株主との共通言語といえます。企業と株主との対話が求められる中、独立社外役員もファイナンスの基礎を学んでおく必要があると思われます。中長期的な企業価値の向上が問われ、ROE、資本コストといった言葉が取り上げられています。ここでは、独立社外役員が知っておくべきファイナンスのポイントについて解説いただきます。

松田 千恵子 氏

(まつだ・ちえこ)

東京都立大学大学院 経営学研究科 教授
東京都立大学 経済経営学部 教授
IHI、三越伊勢丹ホールディングス、旭化成、豊田通商 社外取締役

全社戦略(事業ポートフォリオマネジメント)、財務戦略と企業統治に関する研究、教育、実務に携わる
株式会社日本長期信用銀行にて国際審査、海外営業等を担当後、ムーディーズジャパン株式会社格付けアナリストを経て、経営戦略コンサルティング会社である株式会社コーポレイトディレクション、ブーズ・アレン・ハミルトン株式会社でパートナーを務め、現在に至る
東京外国語大学外国語学部卒、仏国立ポンゼ・ショセ国際経営大学院経営学修士、筑波大学大学院企業科学研究科博士後期課程修了、博士(経営学)

一橋大学 大学院 経営管理研究科特任教授。日本CFO協会主任研究委員。その他、事業会社の社外取締役、政府・公的機関の委員等を務める

著書「グループ経営入門 第四版」(税務経理協会)、「これならわかるコーポレートガバナンスの教科書」(日経BP社)、「ESG経営を強くするコーポレートガバナンスの実践」(日経BP社)、「サステナブル経営と資本市場」(日本経済新聞出版社、共著)、「経営改革の教室」(中央経済社)、「サステナブル経営とコーポレートガバナンスの進化」(日経BP社)、「コーポレートファイナンス実務の教科書」(日本実業出版社)、「事業ポートフォリオマネジメント入門」(中央経済社)、「全社戦略」(ダイヤモンド社)、「考える道標としての経営戦略」(日本実業出版社)等

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