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旬刊商事法務に執行理事・事務局長の富永誠一による論考が掲載されました

旬刊商事法務(2020年6月15日号)に、執行理事・事務局長の富永誠一による論考『コーポレートガバナンスの進展に伴う取締役会事務局の深化─独立社外取締役の支援という観点から─』が掲載されました。

本稿は、独立社外取締役の支援を含めた取締役会の運営を支え、高度化するガバナンス実務を担う取締役会事務局の重要性を、2003年の全国社外取締役ネットワークの設立以来、長らく独立社外取締役のサポートを行ってきた立場から論じたものです。

昨今のコーポレート・ガバナンス改革では、独立社外取締役の役割、責務に注目が集まっています。その意義はいうまでもありませんが、独立社外取締役を支援する存在である取締役会事務局の機能も並行して深化しており、もう少し光が当たってもよいと考えます。

独立社外取締役の人数が増え、建設的な提言が増えるとともに、ガバナンスにかかわる実務が高度化する中では、単なるアドミの支援者ではないガバナンスの実務担当者を社内に置く必要があります。それが現代の取締役会事務局に求められる役割だと思われます。

グローバルな機関投資家からの要請に応えていくことで、ガバナンスの実務はますます高度化していくことが想定されます。そうした変化に対応する存在として、さらには、会社を良くしたい人材が力を発揮する部署として、各社で取締役会事務局が中長期的に位置づけられることを望みます。

CGネットでは、取締役会事務局向けのガバナンスの最新知識を習得する「取締役会事務局のためのMID(ガバナンス講座)」と、取締役会事務局のための情報交換を目的とした「取締役会事務局懇話会」を運営することを通じて、取締役会事務局の皆様のサポートを行っています。

こうした活動にご関心をお持ちの取締役会事務局の皆様のご参加をお待ちしております。

※本稿は、執筆者個人の見解で、CGネットの団体としての意見を表明するものではありません。


◆取締役会事務局のためのMID(ガバナンス講座)
 CGネットが開講している取締役会事務局向けの研修講座。略称「MID事務局コース」。①東京証券取引所の取り組み、②企業不祥事・不正、③取締役会の運営実務、④社外取締役のサポート、⑤取締役会評価の実務、⑥指名・報酬委員会事務局の実務、⑦ファイナンスと資本コスト、⑧機関投資家の考え方の全8講からなります。

◆取締役会事務局懇話会
 「取締役会事務局のMID(ガバナンス講座)」の修了生を対象にした意見交換会。取締役会事務局の横の連携強化を目的に、四半期に一度、取締役会の運営方法など、コーポレート・ガバナンスに関する意見交換を行っています。2018年4月から第1期生が開始し、2019年4月からは第2期生、2020年5月から第3期生が加わり、現在3グループで運営しています。第1期生の有志が論文『取締役会評価の活用と取締役会のPDCAサイクル─取締役会事務局の果たす役割─』を執筆しています。