独立社外役員のためのガバナンス・トレーニング・プログラム
後援:東京証券取引所、日本取引所グループ(JPX)
コーポレートガバナンス・コード【原則4-14.取締役・監査役のトレーニング】には、「新任者をはじめとする取締役・監査役は、上場会社の重要な統治機関の一翼を担う者として期待される役割・責務を適切に果たすため、その役割・責務に係る理解を深めるとともに、必要な知識の習得や適切な更新等の研鑽に努めるべきである。」と記載されています。
このような要請に応えて、日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク(CGネット)では、上場会社の独立社外役員を主な対象とするトレーニング・プログラム、MIDコースを開講しています。
本コースは、㈱東京証券取引所及び㈱日本取引所グループ(JPX)の後援を受けており、コーポレートガバナンス・コードに沿う内容になっています。所定の要件を満たした受講者には、「修了証」を授与します。独立社外役員の選任に注目が集まる中、こうした「修了証」の授与を受けている方を社外役員に登用することはまことに有益だと考えられます。
◆「MID」はCGネットが行うガバナンス・トレーニング・プログラムで、「独立社外役員向け」と「取締役会事務局向け」の二つのコースが
あります。
◆独立社外役員向けの「MIDコース」は2017年から開講し、450名を超える受講生に「修了証」を授与いたしました。2025年は、前年までの
講義内容をさらにアップデートして開講します。
◆CGネットには、独立社外役員を務める上での諸問題について毎月意見交換を行う「独立役員研究会」があり、MIDコースの修了生が
多く参加しています(CGネット正会員および賛助会員の独立役員のみ)。
◆本「MIDコース」は基調講演はハイブリッド(会場参加+オンライン)、必修第1講以降の講義はZoomによるオンライン開催といたします。
リアルタイムでご参加できない受講者は、後日補講として動画を視聴いただけます。
■構成:「MIDコース」は、3つの要素で構成されています。
コース名 | 回数 | 開催時期 |
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基調講演 | 1回(2時間) | 2025年1月31日(金)14:00~16:00 |
必修科目1) | 6回(12時間) | 2025年2月上旬~3月上旬 18:30~20:30 |
選択科目2) | 11回(22時間) | 2025年3月中旬~6月上旬 18:30~20:30 |
注 1)独立社外役員の必須の知識となる「必修科目」6コマ
2)独立社外役員の知識を補う「選択科目」11コマ
■受講対象者:コーポレート・ガバナンスで重要な役割を担う「独立社外役員」、及びその候補者を主な対象者と想定しています。
そのほか、独立社外役員のサポートを行う取締役会事務局、監査役スタッフ、ガバナンス担当役員にもお役立ていただけます。
(講師と同業会社からのお申込みは、講師の要請により当該講義のご参加をお断りすることがあります。)
■受講形式
コース名 | 聴講形式 |
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基調講演 | ハイブリット形式 〔会場参加(10名限定)+オンライン聴講〕 ☆以下いずれかの方法でのご視聴となります。お申し込みの際は①②いずれかを選択ください。 ① 会場参加にて聴講 ② Zoomにて聴講 ※ 申込期限:<2025年1月27日(月)迄>を目安にお申し込みください。以降のお申し込みはお手数です が別途ご相談ください。 ※会場はCGネット会議室(東京都港区虎ノ門3-4-10 虎ノ門35森ビル7F)です。 ※会場参加は先着順です。お席がなくなり次第オンライン聴講のご案内を申し上げます。 ※修了証授与受講者および単回受講者がリアルタイムでの参加ができない場合は、 後日補講として動画を視聴いただけます。 |
必修科目/選択科目 | Zoomを使ったオンラインでの開催 修了証授与受講者および必修・選択科目単回受講者がリアルタイムでの参加ができない場合は、 後日補講として動画を視聴いただけます。 |
■修了証:CGネット所定の「修了証」授与要件は以下のとおりです
基調講演 |
1/1 回 |
必修科目 |
6/6 回 |
選択科目 |
4/11 回以上 |
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※修了証は、全講義の終了後に授与します。授与要件に満たない方は補講の機会をご利用ください。
●補講…後日、動画を視聴いただけます。
●代理出席…個人会員は不可、賛助会員および非会員は可(但し申込者本人の受講回数には見做されません)。
■基調講演
【基調講演】2025年1月31日(金) 14:00~16:00 | |
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基調講演 14:30~16:00 | 『「コーポレート・ガバナンス」は万能か』 古賀 信行 氏(野村ホールディングス 名誉顧問 日本放送協会経営委員会 委員長) |
後援団体挨拶 14:15~14:30 | 『独立役員に期待される役割』 青 克美 氏(東京証券取引所 取締役常務執行役員) |
主催団体挨拶 14:00~14:15 | 『コーポレート・ガバナンスの実質化』 牛島 信 (日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク 理事長、牛島総合法律事務所 代表弁護士) |
■必修科目
【必修科目】(6コマ)2025年2月上旬~3月上旬 |
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必修科目は、コーポレートガバナンス・コードを定める東京証券取引所の取り組みと、取締役会評価とその活用に関する知識を習得し、独立社外役員の関与が必須となる報酬委員会と役員報酬システム、後継者計画と指名委員会の運営を学びます。その後、独立社外役員の経験談・プラクティスを共有します。この必修科目6講は独立社外役員としての実効性を高めることに大いに貢献するものです。 | |
第1講:2025年2月5日(水)
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『コーポレート・ガバナンスを巡る取組み』 渡邉 浩司 氏 (東京証券取引所 上場部長) |
コーポレートガバナンス・コードを定める東京証券取引所のコーポレート・ガバナンスを巡る取り組みと、現状と今後の課題、さらに企業価値向上に向けた取り組みについてお話いただきます。 | |
第2講:2025年2月13日(木)
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『取締役会評価の実際と課題 ~サステナビリティ経営に対する取締役会の監督の視点も踏まえて~』 宮地 真紀子 氏 (ジェイ・ユーラス・アイアール ディレクター ボードルーム・レビュー・ジャパン ディレクター) |
取締役会の実効性評価は、すでに多くの会社で取り組んでいる取締役会の運営等を評価し、改善するツールです。ここでは、取締役会評価の意義、最近の課題について、サステナビリティ経営の取締役会による監督の視点を踏まえながら、取締役会評価の専門家から解説いただきます。 | |
第3講:2025年2月19日(水)
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『指名委員会の運営―企業価値を高めるCEOサクセッションと取締役のサクセッション―』 中島 正樹 氏 (コーン・フェリーコーポレートガバナンス・アドバイザリー部門リーダー(日本)、 シニアクライアントパートナー 東京大学大学院非常勤講師、今治.夢スポーツ(FC 今治) アドバイザリーボード メンバー、BBT 大学大学院客員教授(コーポレートガバナンス論)) |
指名委員会等設置会社に置かれる「指名委員会」及びガバナンス・コード原則4-10の「指名諮問委員会」に焦点を当てます。独立社外取締役が大きな役割を担う指名(諮問)委員会の運用と、そこで議論されるサクセッション・プランニングについての最新動向を解説いただきます。 | |
第4講:2025年2月27日(木)
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『報酬委員会の運営と役員報酬制度 ―独立・専門性ある報酬決定プロセス確立を通じたペイ・フォー・パフォーマンスの深化』 阿部 直彦 氏 (ペイ・ガバナンス日本 マネージングパートナー 代表取締役) |
指名委員会等設置会社に設置される「報酬委員会」及びコーポレートガバナンス・コードの原則4-10で示される「任意の仕組みの活用」の「報酬諮問委員会」に焦点を当てます。独立社外取締役がコアメンバーとなる報酬(諮問)委員会の運用と、実際にそこで議論される役員報酬制度の最新情報について解説いただきます。 | |
第5講:2025年3月5日(水)
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『社外取締役・社外監査役の経験談1』 大坂 祐希枝 氏 (伊藤ハム米久ホールディングス、さくらインターネット 社外取締役 カスタマーサクセス推進協会 代表理事) |
社外取締役・社外監査役の経験談は、社外取締役・社外監査役としての心構え、留意点、準備などの点などについての実体験を、社名は伏せた上でお話いただくものです。ここでは、講師による経験談のお話の後、質疑応答・意見交換の時間を多めにとる予定です。 | |
第6講:2025年3月11日(火)
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『社外取締役・社外監査役の経験談2』 小泉 慎一 氏 (ディー・エヌ・エー 常勤社外監査役 国際協力銀行、Preferred Networks 社外取締役、大林組 顧問 JICキャピタル シニア・アドバイザー ジャパン・アクティベーション・キャピタル シニア・アドバイザー) |
社外取締役・社外監査役の経験談は、社外取締役・社外監査役としての心構え、留意点、準備などの点などについての実体験を、社名は伏せた上でお話いただくものです。ここでは、講師による経験談のお話の後、質疑応答・意見交換の時間を多めにとる予定です。 |
■選択科目
【選択科目】(11コマ)2025年3月中旬~6月上旬 |
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選択科目では、まず、コーポレートガバナンス・コードが独立社外役員に求めている重点分野を取り上げます(第1講~第4講)。その後、法律系の科目として、会社法、金融商品取引法、取締役会の運営、そして株主代表訴訟・D&O保険について取り上げます(第5講~第8講)。さらに、中長期的な企業価値向上の観点からのM&A、決算書類の読み方からファイナンスについて学び(第9講~第11講)、独立社外役員の役割をよりよく果たすうえでの知識を習得します。独立社外役員を務める方の専門分野は多岐にわたります。受講者の皆様には、専門分野以外についての知識も深めていただければ幸いです。 | |
第1講:2025年3月19日(水)
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『もう一度読み返そうコーポレートガバナンス・コード ―独立社外役員として知っておくべきCGコードの全体像と、押さえておくべきポイント』 寺田 昌弘 氏 (三浦法律事務所 弁護士 SBI新生銀行 社外取締役) |
コーポレートガバナンス・コードが適用されて以降、各社様々な取り組みがなされ、情報開示がされています。ここでは、独立社外役員として知っておくべきガバナンス・コードの全体像と、押さえておくべきポイントについて解説いただきます。 | |
第2講:2025年3月25日(火)
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『社外役員が知っておきたい資本市場の最近動向、機関投資家との対話』 芳賀沼 千里 氏 (三菱UFJ信託銀行 受託運用部 チーフストラテジスト) |
コーポレートガバナンス・コードの基本原則5では、上場会社と株主との対話について、「経営陣幹部・取締役(社外取締役を含む)は、こうした対話を通じて~」と記載されています。実際に社外取締役が機関投資家と対話するケースも出てきており、独立社外役員が株主との対話について学ぶことは重要だと思われます。ここでは、独立社外役員が知っておくべきポイントについて解説いただきます。 | |
第3講:2025年4月3日(木)
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『社外役員が知るべき内部統制と監査』 鈴木 輝夫 氏 (元・あずさ監査法人副理事長、公認会計士、 元)LIXIL 社外取締役・監査委員会委員長・ガバナンス委員会委員、 元)花王、クボタ 社外監査役) |
続発する企業不祥事により、改めて内部統制と監査の機能が問われています。ここでは、公認会計士、および社外監査役の経験豊富な講師から、独立社外役員として知っておくべき内部統制とコーポレート・ガバナンスにおける監査のあり方、グループ監査等について解説いただきます。 | |
第4講:2025年4月9日(水)
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『内部通報窓口の設置と社外役員の関わり方―突然の指名にあわてないための心構え―』 樋口 達 氏 (大手門法律会計事務所代表パートナー 弁護士、公認会計士、公認不正検査士 丸紅建材リース 社外取締役・監査等委員、オルガノ 社外監査役) |
コーポレートガバナンス・コードの補充原則2-5①には、内部通報制度について、「例えば、社外取締役と監査役による合議体を窓口とする等」と記載があります。ここでは、社外役員として知っておくべき内部通報制度と、社外役員が実際に窓口を務める場合の留意点について解説いただきます。 | |
第5講:2025年4月14日(月)
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『会社法の観点からの取締役、監査役の義務と責任』 塚本 英巨 氏 (アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 パートナー弁護士) |
会社法は、独立社外役員を務めるにあたって最も重要な法律の一つです。ここでは、コーポレート・ガバナンスに詳しい講師から、独立社外役員として知っておくべき会社法の基礎知識、会社法上での役員の義務と責任等について解説いただきます。 | |
第6講:2025年4月24日(木)
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『金融商品取引法の観点からの取締役、監査役の義務と責任』 須崎 利泰 氏 (阿部・井窪・片山法律事務所 パートナー弁護士) |
金融商品取引法は上場会社特有の法律で、会社役員を務める上でも重要な内容が含まれています。ここでは、金融商品取引法の概要、開示規制、インサイダー取引規制を中心に、独立社外役員が押さえておきたいポイントについて解説いただきます。 | |
第7講:2025年5月14日(水)
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『取締役会の運営と役員の責任追及事例』 川村 宜志 氏 (牛島総合法律事務所 パートナー弁護士・公認不正検査士) |
会社役員が取締役会に参画するうえで、取締役会の運営の法的根拠を学ぶことは重要だと思われます。ここでは、取締役会の職務と役員の役割、取締役会の運営に関する手続き、責任追及事例を踏まえた取締役会運営の留意点といった点について解説いただきます。 | |
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(第1部)『株主代表訴訟』 増田 健一 氏 (アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 パートナー弁護士 ブリヂストン 社外取締役 マーキュリアホールディングス、中外製薬 社外監査役) (第2部)『会社役員として知っておくと役に立つD&O保険のポイント』 川端 宏明 氏 (東京海上日動火災保険 火災・企業新種業務部 部長 兼 責任保険グループ リーダー) |
(第1部)株主代表訴訟は、株主による役員の直接監視の手段です。会社役員を務める上で大きなリスクであることから、社外役員であっても株主代表訴訟制度の理解が不可欠だと思われます。ここでは、株主代表訴訟制度の概要、株主代表訴訟の具体例及び留意点等について解説いただきます。 (第2部)会社役員賠償責任保険(D&O保険)の概要、補償対象となる事例、補償内容に関して注意すべき事項、会社補償契約とD&O保険との違い、令和3年改正会社法で制定されたD&O保険に関する規制など、社外取締役・社外監査役として知っておくと役に立つD&O保険のポイントや関連するトピックについて解説いただきます。 |
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第9講:2025年5月26日(月)
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『過去の日本企業の買収失敗例に学ぶ、企業価値向上に資するM&A基礎知識』 服部 暢達 氏 (早稲田大学大学院経営管理研究科 客員教授 慶應義塾大学大学院経営管理研究科 客員教授 ファーストリテイリング、博報堂DYホールディングス 社外取締役) |
企業価値向上策としてM&Aを活用する例がありますが、必ずしも成功例が多いようではないようです。ここでは、過去のM&Aの事例、特に失敗例を学ぶことで、企業価値向上につながるM&Aを考えます。取締役会でM&Aの議題が出たときに、独立社外役員が知っておくべきポイントについても解説いただきます。 | |
第10講:2025年6月4日(水)
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『社外役員が押さえておきたい決算書類の基礎知識』 西山 茂 氏(早稲田大学大学院経営管理研究科 教授 東京エネシス、日本ハム 社外取締役) |
決算書類である、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書は取締役会参画者の理解が必須となります。ここでは、三つの決算書類のデータの読み方の他、財務比率分析、財務データから見た企業価値の向上への方策について解説いただきます。 | |
第11講:2025年6月9日(月)
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『企業価値創造とコーポレート・ファイナンス―資本コストの視点を踏まえて』 松田 千恵子 氏 (東京都立大学大学院 経営学研究科 教授 東京都立大学 経済経営学部 教授 IIHI、三越伊勢丹ホールディングス、旭化成、豊田通商 社外取締役) |
コーポレート・ファイナンスは企業と株主との共通言語といえます。企業と株主との対話が求められる中、独立社外役員もファイナンスの基礎を学んでおく必要があると思われます。中長期的な企業価値の向上が問われ、ROE、資本コストといった言葉が取り上げられています。ここでは、独立社外役員が知っておくべきファイナンスのポイントについて解説いただきます。 |
■ 受講料
申込期限:<2025年1月27日(月)迄>を目安にお申し込みください。以降のお申し込みはお手数ですが別途ご相談ください。
※本講座の受講を機会にCGネットへのご入会を歓迎します。(入会については こちら をご参照ください。)
※予定されている講義については、開催日時や聴講方法の変更が生じる場合があります。その場合、直ちに受講者にご案内いたします。
なお講義自体が開催できなくなった場合はお支払い頂いた参加費を返金いたします。
■講師略歴
講師略歴(敬称略) |
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古賀 信行(こが・のぶゆき):基調講演
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青 克美(あお・かつみ):後援団体挨拶
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牛島 信(うしじま・しん):開会挨拶
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渡邉 浩司(わたなべ・こうじ):必修科目 第1講
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宮地 真紀子(みやじ・まきこ):必修科目 第2講
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中島 正樹(なかじま・まさき):必修科目 第3講
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阿部 直彦(あべ・なおひこ):必修科目 第4講
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大坂 祐希枝(おおさか・ゆきえ):必修科目 第5講
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小泉 慎一(こいずみ・しんいち):必修科目 第6講
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寺田 昌弘(てらだ・まさひろ):選択科目 第1講
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芳賀沼 千里(はがぬま・ちさと):選択科目 第2講
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鈴木 輝夫(すずき・てるお):選択科目 第3講
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樋口 達(ひぐち・わたる):選択科目 第4講
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塚本 英巨(つかもと・ひでお):選択科目 第5講
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須崎 利泰 (すざき・としやす):選択科目 第6講
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川村 宜志 (かわむら・よしもと):選択科目 第7講
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増田 健一 (ますだ・けんいち):選択科目 第8講(第1部)
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川端 宏明 (かわばた・ひろあき):選択科目 第8講(第2部)
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服部 暢達(はっとり・のぶみち):選択科目 第9講
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西山 茂 (にしやま・しげる):選択科目 第10講
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松田 千恵子(まつだ・ちえこ):選択科目 第11講
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■ 受講料
申込期限:<2025年1月27日(月)迄>を目安にお申し込みください。以降のお申し込みはお手数ですが別途ご相談ください。