取締役会のケーススタディ
「不祥事に関与していない取締役・監査役の法的責任~モデルケースを用いて解説」
取締役、監査役の法的責任について理解を深める「取締役会のケーススタディ」を使って、役員が企業不祥事から身を守るための特別講座です。
架空会社「CG株式会社(製造業)」のケーススタディでは、それぞれ事情を抱えた「代表取締役」「担当取締役」「社外取締役」「監査役(常勤、社外)」を設定し、会社が進めるM&A案件(子会社化、その後破綻)を決議した取締役会で各役員がとった行動についての法的責任を検討します。
取締役会前の情報収集、実際の取締役会での言動・決議への参加の仕方、取締役会議事録への記載、取締役会後の対応(辞任含む)など、各場面について、法的責任の観点から詳しく見ていきます。
参加者の理解を助けるために、講師らが、各役員の言動を演じる「取締役会の実演」を行います。
■ 講座趣旨
皆さんは取締役、監査役としての役員責任を全うできていますか?また、役員責任を全うするために、何をどこまで行えばよいか、日頃迷っておられませんか? 企業不祥事が発生した際、実行犯の会社役員は当然責任を問われますが、不祥事に直接関与していない役員であっても、一定の場合には責任を問われ、莫大な損害賠償責任を負担させられることがあります。 こうしたことから、会社役員としての取締役、監査役は、何をどこまで行えば十分に職責を果たしたことになるのか、言い換えれば、どうすれば他の役員が起こした不祥事について自らの責任を問われなくて済むのか、という点に関心を持たれている方は多いのではないかと思われます。 こうしたご要望に応えるため、本講座では役員責任の具体的な理解を助けるモデルケースを用いて、取締役、監査役として何をどこまで行えばいいのか、第一線で活躍する弁護士を講師に迎え、実践的な観点から学んでいきます。 |
■ スケジュール
日時 | コース | 講師 | |
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第1回 2013年11月26日(火) 18:30~20:30 |
「取締役コース」 専ら取締役として留意すべき事項の解説 |
寺田 昌弘 氏 浅原 弘明 氏 シティユーワ法律事務所 弁護士 |
大月 雅博 氏 辛川 力太 氏 阿部・井窪・片山法律事務所 弁護士 |
第2回 2013年12月3日(火) 18:30~20:30 |
「監査役コース」 専ら監査役として留意すべき事項の解説 |
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【開催場所】 日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク会議室(港区浜松町2-4-1 世界貿易センタービル12F) |
■ 想定する参加者
・上場会社の取締役、社外取締役、執行役員(取締役候補者として)
・上場会社の常勤監査役、社外監査役
・法務部、総務部、取締役会事務局、監査役スタッフ等の実務担当者(役員を主な対象者と想定しますが、実務担当者の方にもお勧めします)
・その他、役員責任の問題に関心のある方
■ ケーススタディーの登場人物
架空会社「CG株式会社(製造業)」のケーススタディーの登場人物は、以下を想定しています。
【取締役コース】 代表取締役 A 社内取締役(財務担当) B 社内取締役(管理部門担当)C 社内取締役(営業担当) D 社外取締役(非常勤) E (大学名誉教授) 社外取締役(非常勤) F (銀行を定年退職) 社外取締役(非常勤) G (証券会社を定年退職) |
【監査役コース】 代表取締役 A 社内取締役(財務担当) B 社内取締役(管理部門担当)C 社内取締役(営業担当) D 社外取締役(非常勤) E (大学名誉教授) 社外取締役(非常勤) F (銀行を定年退職) 常勤監査役 H 社外監査役(非常勤) I (元官僚) 社外監査役(非常勤) J (公認会計士) |
講師略歴(敬称略) | |
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寺田 昌弘(てらだ・まさひろ) シティユーワ法律事務所 パートナー弁護士 1992年 早稲田大学法学部卒業 1994年 司法研修所(第48期) 1996年 弁護士登録(第二東京弁護士会) 1998年 大和証券(株)(現 (株)大和証券グループ本社)社内弁護士 2000年 モルガン・スタンレー証券(東京支店) 社内弁護士 2003年 デューク大学ロースクール卒業(法学修士号) ニクソン・ピーボディ法律事務所(NY市)にて執務 2004年 シティユーワ法律事務所に参加(2005年にパートナーに就任し現在に至る。) 民法、会社法、金融商品取引法を中心に、ビジネス法務、取引法務を幅広く手がける。 日米の証券会社で社内弁護士として様々な案件に関与した経験から金融取引・証券取引の法務・実務に明るく、ストラクチャー構築の提案・リーガルチェック、契約書その他関連書類の作成、監督官庁及び証券取引所への対応、法律意見書の作成などについて豊富な経験を有する。また、会社分割や株式交換などを活用した企業間の提携・組織再編(いわゆるM&A)や、国内外の企業や投資家によるファンド組成など各種投資案件へのアドバイスも手がけてきた。 株主と会社間または複数株主間における法律問題(株主提案、委任状争奪戦、株式買取請求など)はもっとも得意とする分野であり、株主側にも、株主権を行使された企業側にも、経験に基づく実践的・効果的なアドバイスをご提供できると自負する。また、コーポレート・ガバナンスに関するご相談や、第三者委員会・社内調査委員会などに関与する機会も増えている。(一例として、2011年のオリンパス事件では、第三者委員会の補助者の一員として同社の損失隠しスキームの解明と調査報告書の作成に携わった。) 「新しいことにチャレンジしようとする企業や投資家の皆さま方の力になりたいです。既存の決まりごとや慣行に捕らわれず、柔軟に対応します。そして、依頼者の皆さまと知恵を出し合って、満足していただける結果を出すのが喜びです。」 |
大月 雅博(おおつき・まさひろ) 阿部・井窪・片山法律事務所 パートナー弁護士 1997年 東京大学法学部卒業、司法研修所(第51期) 1999年 弁護士登録(第一東京弁護士会)、阿部・井窪・片山法律事務所入所 2006年 デューク大学ロースクール卒業(法学修士号)、テキサス大学ロースクール(事業再生に関する研究)、ラザード投資銀行(M&A及び事業再生に関する研修) 2007年 米国ニューヨーク州弁護士登録、オブロン・スピバック法律事務所(知財に関する研修)、ハーバート・スミス法律事務所(知財に関する研修) 国内外を問わず、企業関連法(会社法、金融商品取引法、独占禁止法等)、コーポレート・ガバナンス等のほか、倒産法、知的財産権法等の種々の分野に広く携わっている。 企業関連法の分野では、豊富な経験を生かして、M&A(敵対的買収等)、株主総会対策(委任状争奪戦等)、株主対応(株主代表訴訟等)等の分野におけるスキームの構築並びに意見書、契約書の作成、監督諸官庁(裁判所、金融庁、公正取引委員会等)に対する対応、紛争処理(訴訟、仲裁等)等を行っている。また、コーポレート・ガバナンスについては、大手金融機関への出向経験等を生かして、第三者委員会も含めた社内調査、審査のほか、企業役員等に対する研修等を行っている。 倒産法の分野では、日本航空、山﨑建設等の会社更生管財人代理、千代田生命、協栄生命等の会社更生手続開始申立代理人、鳩山観光等の民事再生手続開始申立代理人、第一ファイナンスの特別清算申立代理人、山一土地建物等の破産管財人代理のほか、多くの会社等の破産管財人を務めている。 知的財産権法の分野では、特許、商標等を中心に、国際的な訴訟対応や意見書及び契約書の作成等のほか、様々な相談への対応を行っている。弁理士試験の元試験委員でもある。 |
浅原 弘明(あさはら・ひろあき) シティユーワ法律事務所 弁護士 慶應義塾大学法学部卒業 東京大学法科大学院修了 2012年 司法修習修了(新65期) 2013年~ シティユーワ法律事務所 |
辛川 力太(からかわ・りきた) 阿部・井窪・片山法律事務所 弁護士 東京大学法学部卒業 東京大学法科大学院修了 2011年 司法修習修了(新64期) 2012年~ 阿部・井窪・片山法律事務所 |