ガバナンスコース(第6期)
会社法の改正、東京証券取引所の上場ルールの改正、日本版スチュワードシップ・コードの制定、機関投資家の要請により、コーポレート・ガバナンスの議論が高まり、上場会社のコーポレート・ガバナンスの確立が求められています。コーポレート・ガバナンスの体制を整えると同時に必要となるのは、ガバナンスの実効性確保のための取り組みです。そのためにはボードメンバー(社内、社外問わない取締役、監査役)の「コーポレート・ガバナンス研修」が欠かせません。
「取締役・監査役大学講座」は、企業と投資家の対話が求められる中、市場の視点を重視した、コーポレート・ガバナンスの知識を習得するための教育プログラムです。「ガバナンスコース」「企業価値コース」「役員責任コース」の3コースで構成され、「ガバナンスコース」では、取締役・監査役が押さえておきたいコーポレート・ガバナンスのポイントをさまざまな角度から取り上げます。「ガバナンスコース」の全4回で学ぶ内容は、次のとおりです。
第1講:資本主義の基本的な考え方を含むコーポレート・ガバナンスの理論的側面。
第2講:取締役、監査役に求められる機関投資家から見たガバナンス。
第3講:取締役、監査役が知っておくべきガバナンスの周辺知識としての内部統制・リスク・コンプライアンス。
第4講:証券取引所が期待するガバナンスと、上場会社の取締役、監査役が知って欲しい上場制度の意義。
■ ガバナンスコースのカリキュラム(開催場所/CGネット会議室:港区浜松町2-4-1世界貿易センタービル12F)
コース名 | 講座概要 |
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第1講 2014年7月8日(火) 18:30~20:30 |
『現代コーポレート・ガバナンス総論』 若杉 敬明 氏 ミシガン大学ロス・ビジネススクール三井生命金融研究所 理事 東京大学 名誉教授 日本コーポレート・ガバナンス研究所 所長 日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク 理事 |
第2講 2014年7月16日(水) 18:30~20:30 |
『コーポレート・ガバナンスの確立と取締役、監査役への期待』 石田 猛行 氏 ISS エグゼクティヴ・ディレクター 『機関投資家の求めるIRの実践とコーポレート・ガバナンス』 高山 与志子 氏 ジェイ・ユーラス・アイアール マネージングディレクター、取締役 ICGN(International Corporate Governance Network) 理事 |
第3講 2014年7月23日(水) 18:30~20:30 |
『取締役、監査役が知るべき内部統制 ・リスク・コンプライアンス』 鈴木 輝夫 氏 公認会計士 花王 社外監査役 |
第4講 2014年7月31日(木) 18:30~20:30 |
『証券取引所が期待する上場会社のコーポレート・ガバナンス』 安井 良太 氏 東京証券取引所 上場部長 |
講師略歴 |
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若杉 敬明(わかすぎ・たかあき):第1講 ミシガン大学ロス・ビジネススクール三井生命金融研究所 理事、東京大学 名誉教授 日本コーポレート・ガバナンス研究所 所長、CGネット 理事 東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科修了。 東京大学経済学部助手、横浜市立大学商学部助教授、東北大学経済学部助教授、東京大学大学院経済学研究科教授を経て現職。専門は、コーポレート・ガバナンス、コーポレート・ファイナンス。 日本水産㈱ 社外取締役。過去には、㈱リコーで社外取締役、JFEホールディングス㈱と㈱エヌ・ティ・ティ・ドコモで社外監査役を務めた経験を持つ。日本のコーポレート・ガバナンス理論の最高権威。 |
石田 猛行(いしだ・たけゆき):第2講(前半) ISS(Institutional Shareholder Services) エグゼクティヴ・ディレクター ジョンズホプキンズ大学高等国際問題研究大学院にて、国際関係論修士号を取得。1999年からワシントンDCのInvestor Responsibility Research Center(IRRC)に勤務し、主に日本企業の株主総会の議案分析やコーポレート・ガバナンスの調査を担当。2005年のInstitutional Shareholder Services (ISS)によるIRRCの買収に伴い、同年12月からISS Japanに勤務。2008年11月から日本企業の株主総会分析を統括。 |
高山 与志子(たかやま・よしこ):第2講(後半) ジェイ・ユーラス・アイアール㈱ マネージングディレクター、取締役 ICGN(International Corporate Governance Network) 理事、CGネット 理事 東京大学経済学部卒。エール大学経営大学院卒MBA取得。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了、博士号取得(社会情報学)。 地方公務員共済組合連合会資金運用基本問題研究会委員、全米IR協議会会員。 メリルリンチ証券会社ニューヨーク本社に入社後、ニューヨーク、ロンドン、東京の投資銀行部門にて、日本企業の国内外での資金調達、M&Aなどに関するアドバイスを行う。トムソン・ファイナンシャル・インベスター・リレーションズのアジア・パシフィック地域ディレクターを経て、2001年から、IRコンサルティング会社、ジェイ・ユーラス・アイアール㈱にて、IR活動のコンサルティング(国内外株主の分析と理想的な株主構成の構築、機関投資家に対するパーセプションスタディの実施・分析、平時および有事における株主総会支援等)、および、コーポレート・ガバナンス関連のコンサルティング(資本市場に対するメッセージの発信とコミュニケーション手法の確立、ガバナンスの形式と実態のギャップに関する対応等)を行う。 |
鈴木 輝夫(すずき・てるお):第3講 公認会計士、花王㈱ 社外監査役 昭和48年 アーサーアンダーセン アンド カンパニー東京事務所入社 平成元年 英和監査法人(アーサーアンダーセン)代表社員就任 平成5年 監査法人朝日新和会計社と合併し、朝日監査法人代表社員就任 平成11年 金融庁(旧大蔵省)公認会計士第二次試験委員(平成14年10月まで) 平成15年 朝日監査法人 本部理事就任 平成16年 あずさ監査法人と合併、あずさ監査法人となり本部理事就任 平成17年 あずさ監査法人経営改革支援本部長就任 金融庁 企業会計審議会 内部統制部会 臨時委員就任(現在に至る) 平成18年 あずさ監査法人 専務理事就任、RA本部長就任 平成22年 あずさ監査法人 副理事長(平成23年8月まで) 平成24年6月 あずさ監査法人 退職、 花王株式会社 社外監査役就任 その他外部活動 金融庁 企業会計審議会 内部統制部会 臨時委員 近著に、「新任役員のための コーポレートガバナンスの基礎知識」(中央経済社、平成24年7月) |
安井 良太(やすい・りょうた):第4講 ㈱東京証券取引所 上場部長 1988年、横浜国立大学経営学部卒業。同年、東京証券取引所入所。上場審査部、決済管理部等を経て、2013年6月より現職。 上場会社のコーポレート・ガバナンス向上や適時開示制度の見直しなどの上場制度の総合整備などに尽力している。現在、財団法人財務会計基準機構基準諮問会議委員、株式会社ICJ取締役を務める。 |